グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

令和5年のイネ作り:稲刈り

2023年10月11日 から Mat Grimm | 0件のコメント

昨年はうるち米品種として「ヒノヒカリ」と「ニコマル」、モチ米として「みやたまもち」を作ったが、それぞれ5アール、7アール、4アールという面積である。品種毎の量は少なくなり、乾燥工程で特に効率が悪く、乾燥・籾摺りを依頼している業者から苦情が出たので、今年はうるち米は「ニコマル」の単一品種とした。モチ米は1アールくらいとして、乾燥を外注しないで天日乾燥する予定である。小麦を天日乾燥しており、少量であれば、なんとかなる。昔は「むしろ」という藁でできた、通気性があって丈夫な敷物があり、その上に拡げて干したが今はそれを入手できない。浅底の木の箱で代用している。
イネ作りの田んぼは3枚で、2月に緑肥作物として「キカラシ」を種まきしているが、今年は例年と違って、2枚の生育が悪く、1枚のみが良かった。「キカラシ」は菜の花の一種であり、肥料としてだけでなく、田植え後にその腐熟したものが稗などの発芽を抑えるという雑草抑制効果が知られている。そのキカラシの生育が不良だったので田植え後の稗が懸念されたが、その割には手に負えないほどではなかった。コロガシも一度だけでしかも条間のみ実施しただけである。恐らく、抑草には田植え後の深水が一番重要ではないかと思う。水漏れがあると水位が下がり、標高の高い箇所で土が水面から露出すると草が発芽してくる。コロガシで発芽した雑草を土と水で攪拌するので、浮き上がってほとんどが枯れてしまう。私の場合にはコロガシはカゴ車を刈払い機に取り付けてエンジン駆動でかご車が回転するので人力で押す必要はない。しかし、一条毎に歩く必要があり、とても時間がかかる。なんとか、田植え機を改造してコロガシを乗用化できないかと考えている。今年の田植えは苗が25日苗で発芽後、緑化の段階でプール育苗としたので、苗丈が大きくなり、25㎝以上あった。そこで苗を短くカットして、田植え機の捌きを良くしたものの、1-2株植えを狙ったが、むしろほとんどが4-5株植えになってしまった。爪で掻きとるのだが、大苗なので1-2株を掻きとるよりも4-5株の方が安定的である。本来は大苗で尺角植え(坪36株)の粗埴にしたいのであるが、田植え機にそこまでの調整範囲がなく、坪50株で我慢している。手植えはさすがに体力的に自信がない。機械植えに頼らざるを得ないが、ポット植えができ、大苗や粗埴に対応している田植え機は数が少ないのか中古で出回っていない。
今年は例年以上に気温が高く、田んぼの水に藻が発生して濁っており、コメに悪影響しているかもしれない。次の図は気象庁の今年の高松(7-8月)の気温と日照時間のデータで例年をかなり上回っている。通常、7月20日頃から8月4日まで「中干し」という田んぼの水を制限して田を乾かすが、これまで私は一切、行っていない。通常通りに水をたっぷりと入れて田を乾かせるということはしなかった。中干しは分決を停め、成長エネルギーを実の充実に導くためという。そのためか、私の作るイネの丈は伸びて周囲のイネに比べて明らかに高い丈となっている。中干をしないとモミの粒は小さくなるという。確かに、私のコメは粒が小さいので、品種の特性と考えていたが、中干をしないためかもしれない。来年の課題にしたい。田への最後の入水は9月20日で落水は9月26日にして、以後は田を乾かしている。かなり乾燥してきたが、10月8,9日と雨が降り、ぬかるんでコンバインが沈みそうなので、10月10日の稲刈りを10月11日に遅らせた。11日は朝から田んぼの「すま」刈りをして、コンバインの回航ルートのスペースを確保する。3枚の内、最も低い田んぼの山側の畔際はぬかるんでおり、長靴沈み込み許容値6cmを超える可能性がある。最後に残しておき、慎重に低速で稲刈りを行なった。刈り取った籾は例年より、多そうで数量的に期待できる。玄米になるのは2,3日後である。田植え後、数日して見回ると苗が浮いて欠株となっていたり、枯れてしまったりした箇所に補植をしたが、このような補植の苗は稲刈りの時期にはどうなっていたのだろう。丁度、6月17日の田植えから22日後に補植した一角があったので、その後の生育状況を追った。稲刈り前までにはほぼ追いついている。田の端に位置して、日照に恵まれた環境であることも助けていると思う。まだまだイネつくりには不思議が多い。

 

獅子舞に参加する

2023年10月6日 から Mat Grimm | 0件のコメント

2019年の5月にUターンして10月に地元の鰹宇神社の祭りに参加したのだが、その時は”外山・円土座獅子連”の一員ではあってもただ一緒に行動するだけであった。しかし、新型コロナウイルスの感染禍の為に3年間、祭りは規模縮小、獅子舞は中止となり、祭りに本格参加する学習の機会は失われた。新型コロナも変遷を遂げ、一般の風邪並みの扱いとなるに及んで、2023年に4年ぶりに通常の規模で鰹宇神社の例大祭が行われることになった。
4年ぶりということもあり、さぞや皆は張り切って参加するだろうと予想していたが、獅子舞準備の最初の集会で常連の使い手が5名ほど喪中のために参加できず、定年退職して戻ってきた経験の浅い育成組のシニア3人が獅子舞の音曲を担当せざるを得ない状況であることを知らされた。そして9月2日から週2回の獅子の練習が始まった。祭りは9月24日に「口明け」、9月30日に「宵祭り」、10月1日「本祭り」という慌ただしいスケジュールである。私はほとんど鉦も太鼓も観客の興味半分でしか叩いたことがなかったが、3週間弱で本番となる。それでも自分に番は回ってこないだろうと思っていた。
獅子舞は鉦2と太鼓2の音曲と2人が油単の中に入って獅子となって踊る6人構成となっている。獅子の使い手は体力を要するため、若い人が交代しながら、約10分の舞を曲に合わせて踊る。通常は獅子使い手だけでも6~10人くらいが交替で使う。鉦と太鼓は1曲持ち切りでもそれぞれ2人、最低でも4人が必要である。普通は場所を変えながら何曲も演舞するので、交替要員2人を加えて最低でも6人は欲しい。全体で12人位の人数となるが、後ほどの獅子舞のスケジュール調整では9人という時間もあり、全く苦しい状況であった。過去には若手が郷里を離れ、少子化もあり、何度も少人数で挙行せざるを得ないこともあったそうである。
現在、十河地域(約3700世帯、53自治会)の本神社である鰹宇神社で獅子舞を奉納する権利をもっているグループは8つの獅子連である。しかし、諸事情により、年々減りつつある。外山・円土座獅子連は26世帯の外山自治会と数名の旧円土座自治会から成るグループである。私が子供の頃には獅子の鉦や太鼓の音が遠くから聞こえてきて、祭りが近いことを知り、鰹宇神社の秋祭りに連れだって露店で買い食いしたり、おもちゃで遊んだりした楽しい記憶があるが、獅子舞は見たかもしれないがその機会はすくなかったように思う。
獅子舞は獅子連によってその曲も踊りも異なる。我が獅子連では「牡丹くずし」という分類に入るらしいが、次のような踊りを行う。獅子という動物が呼び出しで登場し、首や耳、口を動かせて身体の手入れをしたり、動物の所作を披露する。そして、やがて身体を左右に揺らしながら、正面に向かって前進していく、前面に到達すると頭を下げ、尻を高くして激しく首を上下左右、前後に振って威嚇するような動作をする。その時、鉦と太鼓が動きに合っているといわゆる「見え」がきまる。これが舞の最高潮部であり、「猩々の舞」というらしい。10分間の間に獅子は前面で踊ったり、後ろに下がって眠ったり、ループを描いて回ったりして数回、前面に出て威嚇動作をする。この一連の動きはいくつかのパターンを組み合わせてテンポを変えたりするのでこれを覚えるのは容易ではない。踊りの順番は変わらず同じなのであるが、それぞれの舞から次の動作に移るのは太鼓の合図である。鉦は太鼓や獅子を見ながら、次のタイミングを測る。太鼓は獅子を見ながら次の踊りの合図を出す。獅子は鉦の音に合わせて獅子の頭を振ったり、油単を動かす。太鼓をたたく人が全体の指揮を執る。早く終えるときは舞を進めるように合図を早く出すことで短くできるし、丁寧に時間を掛けたいときはゆっくりとしたテンポで行う。8分~16分くらいに自在に調節できる。
私はまだまだ、未熟で曲が身体に沁みついていない。時々間違えるし、今がどのシーンかを見失って迷ったりする。その時は鉦が止まるので、獅子舞の勢いを削いでしまう。
ボケ防止にと思い、必死で覚えるが次の日には忘れている。この繰り返しである。しかし、獅子連の活動を通して思うことは地元の祭りの持つ不思議な活性化作用である。そして、獅子舞を通じて自治会の人たちや地域の人とのつながりができてくる。江戸や明治の時代から続いているという獅子舞にはその理由がある。耳がおかしくなるほどの音であるが、心地よい響きがあり、気持ちが明るく高ぶってくる。また、来年もやりたいと思う。

令和5年のスイカ

2023年8月17日 から Mat Grimm | 0件のコメント

 今年もお盆を過ぎ、もっとも暑い時期を超えたように思う。燃えるような暑さの中で身体を動かして喉が渇いたときに冷えたスイカは本当においしい。糖度は高い方が良いが、水代わりに喉を潤すスイカは甘くなくても気にならない。この記憶があるので毎年、スイカを必要以上に作っている。冷蔵庫は2つあるが、夏の間はいつもスイカが冷えている。子供たちにも宅配で送っている。
 今年は欲張って9種類のスイカの種を蒔いて、40株以上を定植した。しかし、温床の温度管理が不適切で品種によっては3月の種まきで発芽温度に達せず、発芽しなかったので、後日、そのポットを利用してそのままトウモロコシなど違う野菜の種蒔きに使ったところ、トウモロコシだけでなく、スイカらしき新芽が出てきた。土を再利用したつもりなので、どの品種のスイカの種につかったかはもはやわからなくなってしまった。だから、外観だけで区別できる品種しか同定できていない。これまでに確認しているものは5品種である。
 今年の経験から、スイカを発芽させるには夜間の最低地温が10℃程度では不十分で20℃を確保しなければいけないということだ。3月の種まきの時期では外気温は夜間にほぼ零度付近まで下がってしまい、電気カーペットを使ってもポットの地温を10℃までしか確保できなかったのである。5月になるとさすがに夜間温度も上がり、発芽環境が整ったということであろう。トウモロコシといっしょにスイカも発芽してきた。
 トウモロコシの定植の際に株を分け、定植は1-2か月遅れで行った株もある。そのため、収穫も遅れ、昨年は7月初めから獲れていたものが7月後半になり、遅いものではこれからという株もある。私は基本的に放任栽培なので、摘心や人工交配などは行わず、定植したらそのまま放任している。だから、1株で1個とれれば良しとしている。放任栽培でも2個取れる株もあるので、栽培畝はぜいたくに使っている。3m幅で大玉は株間を1.5-2mとしている。今年、最大の玉は9.4kgであったが、5-6kgのものが多く、全体に小さい。10kg以上を目指しているが、株の整枝剪定を行わないとエネルギーが分散してしまうのであろう。
 今年の目玉は何と言っても「金色羅王」という品種である。黄色のスイカで糖度が高いという特徴の人気のスイカである。遅れて発芽したため、成長時間が短くて小さいのか、天候が7月、8月前半は極度に暑く、樹が枯れてしまい強制終了となってしまったためか3.2㎏程度しかなかった。しかし、切ってみると見事な黄色からオレンジ色で食べてみるととても美味しい。他の品種にない味であった。スイカも品種が大切なのだと実感した。今年、金色羅王はまだ1個しか確認していない。まだ、収穫はつづくが、来年もまた、がんばろうと思う。

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