グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

最近の一番お薦めの本

| 0件のコメント

 年末年始のテレビ番組はいろいろ工夫した面白いものが多いので例年、楽しみにしている。しかし、一年を振り返った時、一番インパクトがあったのはこの本である。長沼伸一郎の「現在経済学の直感的方法」である。
 この著者の本を講談社のブルーバックスでいくつか読んでその分かり易さに感心して、この本に行きついた。私は理系出身であり、経済学がわからないと困ると思い、ミクロ経済学、マクロ経済学などいろいろ本を読んで自分なりに勉強したが、定性的、部分的にはわかるが実際の経済にどう役に立つのか実感がなかった。
 私が目からウロコが落ちた感をもったのは現代の資本主義がどうして地球環境を破壊してまでこのように巨大化し、とどまる所をしらないのかという疑問に答えており、それが「金利」であると見通している点である。昔から金貸し業があり、金利は当たりまえだと思い、これがまさか現代資本主義の拡大の原動力であるとは気づかなかった。
 しかし、産業と資本が金利で結びつくと資本を投資して産業が急速に拡大し、その速度についていけないものは淘汰されていく。と同時に金利を上回る利益を出すことが必要で現代社会は利益を出し続けないと淘汰される社会になっている。
 会社員時代には投資して新製品を出して利益を出すという会社の姿勢に疑いを持たず、その競争に夢中になり、その結果として長期的に地球や社会全体に悪影響を及ぼすのではないかと考えたことはほとんどなかった。今の大半の若い人たちもそうであろう。
 リタイアして一歩、経済競争から引いた立場で眺めてみるとこのままでは目の前の競争に目が眩み、地球環境を維持可能な状態に戻せない段階まで破壊してしまうのでないかと考える。そしてこの資本主義の持つ暴走的な力を抑えることはできないのではないかと半ばあきらめていた。
 この本にはその危うい未来に対して完全な回答ではないにしても、すこし明るくなる可能性もあるのではないかというひとつの方向を示している。その論理にはやや飛躍があると思うが、そうかもしれないとも感じる。ぜひ、一読をお薦めする。
 この著者による「経済数学の直観的方法 確率・統計編」も優れた解説と同時に哲学的な意味を示唆している。ブラック・ショールズ理論の解説をしており、現代の株式市場で確実に利益を出す仕組み(無リスクポートフォリオ)が見事に解説され、しかもその取引(オプション)の期待価値の導出が示されている。資本主義の今後の利益がいわゆるある傾向(トレンド)で出すことが難しくなり、変動(ボラティリティ)から利益を生む方向に進むことを示唆している。理系にとって誠に救いのような書物である。尚、私の理解は誤っているかもしれないので、是非、ご自身でご確認をいただきたいと思う。

Follow me!

コメントを残す

必須欄は * がついています


PAGE TOP