ゲイブ・ブラウンの環境再生型農業を知ってから、不耕起栽培に関していろいろ勉強している。不耕起栽培では耕さないことで土をそこに住む生物の生態系により、豊かで植物が生い茂る土に変えていくという。鶏・豚・牛などの動物を入れることも土作りを促進するという。同じようなものに自然耕法という農法があるが、肥料や農薬を使わず、耕すこともせず、種を蒔いて、収穫まで放置する。不耕起ではあるが、多様な種類の植物の種を蒔き、その環境に適した植物を育成することで、土地を変えていき、土地が変わるとさらに生育する植物が変わる方法である。自然農法では家族農業的な規模であり、人手で収穫する規模である。協生栽培と呼んでいる方法も不耕起ではあるが、樹木を含めて多様な植物の種を蒔いて砂漠のような土地を野菜もとれる緑の森に変えていくという。太陽光パネルや収穫ロボットも導入して、人類の歴史以来、続いてきた土地の劣化(炭素の減少)を止め、地球規模でエネルギーと食料を持続的なものにすることを大きな目標としている。農業が実はとても重要な局面になっていることを感じている。まだ、世間一般では慣行農法が主流で不耕起栽培といっても家庭菜園規模である。得られる野菜は無農薬であっても形状や外観、柔らかさなどは慣行栽培に劣るので、市場では広がらない。一部には良さを知ったユーザーがリピーターとして購入するようになり、採算が取れているらしいがまだまだ限定的である。
私は菌ちゃん農法として知られている畝つくりを2年前に始めている。畝に枯草やもみ殻、堆肥、剪定枝などを積み重ねて黒マルチを掛け、放置した後、そこにカボチャ、メロン、スイカ、トマト、ズッキーニ、ブロッコリーなどを植えてそれなりに収穫している。しかし、慣行栽培と比べて、遜色ないものもあるが、スイカなどは成長が穏やかであり、大きさや数では物足りない。一方、黒マルチをすると雑草は抑えられるが追加で枯草や剪定枝などの炭素資材を投入するときに除去したりが面倒である。そこで黒マルチを除去して、これまで行ってこなかった多様な野菜の密植も検討してみたい。
そこで今年は不耕起で2,3年経過した無肥料畝に様々な野菜の種や苗を植えてみる。10/16にカブの種を蒔いて発芽している。9/28に連結ポットに種まきした玉レタスを10/30に定植した。2条植えである。いろいろ、試してみたいと思う。
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レタス苗定植
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3年目の無肥料畝
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今日も朝から集会場に集まり、天候を伺いながら地元神社の例大祭の準備を進めていく。現在、16の集落が陶屋株を持ち、順番に年一度の例大祭の運営を受け持つ。私の集落が当番となったのは18年前の平成18年以来で私は5年前にUターンしてきたので、初めての経験である。5月頃に神社の宮司と陶屋側が打ち合わせを持ち、陶屋が準備する物や行事内容の説明を受けた。神社としては毎年のことなので慣れているが、陶屋側は十数年ぶりなので、経験者はいてもほとんどは忘れているか、初めてである。例大祭は「口明け」、「宵祭り」、「本祭り」の3つで構成され、簡単に言えば、「口明け」で神様を陶屋の陶席宅に迎え、拝礼して、1週間滞在の後、「宵祭り」として、神様に神社本殿に戻っていただく。そして「本祭り」で神様を神輿に載せ、慰め、本殿から御旅所まで練り歩いて皆で神様を本殿から外の世界を見ていただき、御旅所で一旦、休憩してもらい、氏子の祈願を受ける。そして、再び、本殿に戻って、祭りは終了するという行事である。
今日は「口明け」の1週間前の休日で全員で神社の注連縄の交換を行う予定であったが、生憎の天候で紙垂という半紙の飾りが雨で傷むので大半の屋外設置の注連縄の交換を予備日の明日に延期し、まず、神社の様々な場所に飾る榊や串に用いられる竹細工を行った。竹は知り合いの竹林から先日、切り出した竹を使用する。1時間ほどで40本前後の竹を節の研磨、切断、穴あけを行った。集まった11人で集落の集会場で行った。その後神社に行き、雨の影響の少ない本殿前と本殿内の注連縄を交換した。注連縄と言っても大きなものは長さが3,4mほどあり、重量も2人では持て余すほど大きく重い。支柱として太い竹に結びつけてあり、注連縄の交換は注連縄を支える人、縄で梁に結びつける人と少し離れた箇所から注連縄の水平度を見て指示する人の共同作業となる。しめ縄は梁に固定されるので、高所作業となる。少なくとも2人、できれば3人が同じ高さで高所作業ができる足場が必要で複数の脚立か、2つの脚立に板を渡して、その板に乗り、作業をする。働き盛りの若手経験者が中に居て、高所で重量物の作業を担ってくれ、要領よく進んだ。
神社の例大祭の陶屋制度の維持が氏子の減少、言い換えると農家の減少・高齢化で難しくなっているが、今回の経験を通して実は人のつながりを強化するシステムであることに得心した。獅子舞も同じシステムの一部である。私自身もUターン組であるが、集落に長年ずっと住み続けている人の他に、その縁戚関係者や祭りの好きな人が集まり、共同作業を通じて交流できるという利点のあることを実感している。十数年間の間に住民の娘や息子が集落の外へ出ていくことが多いが、その娘や息子が獅子舞や神社の祭りを子供時代に経験してその楽しさを記憶しており、彼らの子供達を連れて参加してくれるのである。私も普段、付き合うことのないさまざまの職種、年齢、性別を超えた人と交流できることに驚いている。例大祭の陶屋制度は集落を基点とする様々な人の共同作業で挙行できるものであり、逆に普段はばらばらに散らばって生活している人を結びつける制度ではないかと思う。
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本殿内の注連縄交換
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集会場にて竹細工
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竹は知り合いの竹林から切り出したもの
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スイカの収穫を7月29日に今年初めて行った。目安はスイカの蔕が繋がっている茎の同じ節から出ている巻きひげが枯れているかどうかである。巻きひげが青いものは未熟である。巻きひげが枯れていても必要十分ではない。未熟なものもある。後は大きさや花の時期から40日程度を経ているかどうかである。試しに6~7kgの2個を収穫した。冷蔵庫で冷やして、切ってみたが、ほぼ完熟であった。糖度計を持っていないのでどの程度かわからないが甘い方だと思う。5月18日に通常の赤色大玉スイカ(黒玉5株、羅王1株)を株間1.5mで定植し、放任栽培で人工授粉もせずにいて着果したものから、大きく成長したものを2個収穫した。別の圃場にも黄色スイカを11株を株間1.5mで定植し、自然に授粉して着果したものから大きく成長したものを7月31日に1個収穫した。冷蔵庫で冷やし、8月1日に試食した。これは完熟には今一歩であったが、中心部分はかなり甘く、そして赤系とは違った爽やかな味がする。そして、この玉は重量が初めて10㎏を超え、10.8kgと手ごたえのある重さである。放任なので、着果した玉は間引いていない。玉の大きさは2番手以降は10kg超はほとんど見当たらない。7月4日には長雨の後の高温でのカビの病気を心配していたが、現在、株の中心部分の茎がほとんど茶色に変色して、枯れようとしており、恐らく炭疽病ではないかと思う。実をつけている茎の箇所までは茶色に広がっていないが1週間前に比べると確かに病気が広がっていると考えざるを得ない。樹勢が衰えている株に着果したものの現在、まだ小さな玉はこれ以上には大きくならないと考えられる。好むと好まざるに関わらず、収穫せざるを得ないだろう。(8月7日)
今日はお盆の14日である。私の住む高松市は連続真夏日20日を記録し、21日に更新するのも確実である。当初、お盆の頃の収穫最盛期を期待していたが確かに例年の天候であればそうなると思われるが、日照りで樹が枯れており、成長が止まっているものも見受けられる。玉の表面が一部茶色に変色しているものがある。黒玉スイカ2個、金色羅王2個を食べて、味は悪くないが、黒玉スイカは過熟とは違う、劣化を感じる。恐らく、熱のせいであろう。金色羅王はどちらかというとさっぱりした食感であり、それは余り感じない。玉の表面の色にそれが反映されている。スイカの場合には本当に中身を予想するのは難しい。切ってみないと何とも言えない。売ったり、プレゼントしたりするときにいつも自信がない。だから、後でどうだったか聞きたくなる。お店で売っているものを見ると大きさも色も欠点がなく、味に不安を感じさせる外観ではない。
病気か、枯か
恐らく、カビか
黒玉スイカ
金色羅王、刃を入れると割れてしまう。味は最高!
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今年初めて発芽に成功したトルコギキョウであるが、苗となってもどのような花が咲くか、小さくて貧弱な茎や花であれば鑑賞用としては失格である。鉢上げしてもポットでの生育がどうかうまく咲くかどうか分らない。不安ではあるもののポットで花の苗として売る自信はなかったので、ある程度生育したら、すべて花壇に定植した。そして、やっとその神秘の花が姿を現した。種袋にある通りの大きくて色も淡色で八重咲で優美な花であった。そしてキキョウのように複数の枝から次々と花を咲かすのである。しかし、困ったことに花が大きくて立派であるので茎はしっかりしているが、根元で茎を支えきれずに倒れてしまうのである。花壇に植えたため、土が柔らかいためかと推定したが、どこに植えても倒れやすいので根がそういう性質かもしれない。白、ピンク、薄い紫、緑に近い白、黄色など淡い色でとても上品な花である。来年は倒れやすい点を考慮して苗を作りたいと思う。今回の花つくりの工程を書くと、昨年の10月26日にジフィーセブンという親指くらいの大きさの吸水性の専用苗床に1,2粒の種を置いて、日当たりの良い窓際に置いて水を切らさないようにすると記録はないが、12月か1月頃だと思うが発芽して、少しずつ成長する。2月12日と24日にポットに鉢上げした。ある程度、成長したポットの写真は4月5日である。これを花壇に定植したのは4月末頃で6月23日には開花している。そして、7月末でもまだ花を咲かせている。花を咲かせるまでに約9か月の栽培期間である。通常のキキョウのように多年草となって、来年も株が残って花を咲かせてくれるとありがたいが、どうだろうか。楽しみである。
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無農薬の稲作を今年も計画しているが、そのための今年第一の作業が緑肥として菜の花の一種であるキカラシの種まきである。茎葉を大きく育てて、花が全開の頃に土にすきこむ。菜の花緑肥は田植え後の水田で不思議と雑草が抑制されるのである。キラカシの腐熟した茎や繊維が徐々に、肥料としてだけでなく、雑草を抑制する成分を含んでいて溶け出すらしい。昨年はキカラシの種を蒔いたにも拘わらず、ほとんど発芽せず、緑肥としての役目はほとんど果たしていない。その原因を推定しているが、(1)稲刈り後のトラクタ耕耘1回で切り株が細かく砕土されていない。(2)種まき後に覆土をしていない。(3)雨がタイミングよく降っていない。この3つが考えられる。そこで、今年は種まき前のトラクタ耕耘を2回行い、PTO4の高回転で砕土した。そして、種まき後に覆土をすべく、「がんじき」で土の表面を軽く叩くと少し、砕土と同時に表面の種が土に隠れるので、覆土したことになる。あまり力も要らず、畝を1本づつ、順に行った。それでも4本か5本の畝で半日仕事となった。3枚の田、16aの「覆土」作業に3日を要した。そして、比較のために3枚目の田はその半分以上を覆土しないで種を散布したままにした。違いをみるためである。種まきは2月20日に行い、4.5㎏の種をいつもの蓋に穴を開けたプラスチックボトルで振りまいた。この方法は畝毎に撒く種の量を測定して容器に入れるのである程度、均一に蒔けるのだが、どうしても容器の振り方で出る量が変わってしまい、種の密度は均一ではない。緑肥用の肥料として、10aあたり鶏糞300kg をあらかじめ散布している。トラクタ耕耘は内盛耕から少し、中央部の土を外側に盛る二山盛耕のツメ配置にしており、ある程度の高さの畝ができている。水はけの悪い田なので、どうしても畝つくりは必須である。
3月14日の発芽状態を見ると昨年に比べるとどの畝もうまく発芽している。まだ、芽が小さくて3枚の田の発芽率のばらつきは目視できないがいずれはっきりと表れると思う。感覚的だが、「がんじき」による覆土の効果についても覆土無しと大きな発芽率の差はなさそうである。
キカラシの種と散布用容器
「がんじき」で土表面を叩いて覆土2月20日
3月14日の発芽状況
3月14日発芽状況の拡大写真
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一月もあと数日で終わる。休息の月というか、寒くてどうしても屋外作業が減ってしまう。ところが、実はこの時期は土木作業にはもっとも適しているのである。力仕事をすると暖かくなり、寒さが気にならない。駅伝やマラソンが冬に行われるのは同様の理由と考えられる。力仕事として、水路の泥上げ、農道の拡幅、田の均平化などの作業があるが、まだ手がついていない。28日にはジャガイモの植え付けを行った。48mの畝長に株間40㎝で植え付け、120ケの計算値であるが実際には115ケを植え付けた。メークイン37ケ、男爵40ケ、きたあかり20ケ、メークイン(自家イモ)18ケである。ジャガイモは井原豊氏のやり方を踏襲しており、即効性のある化成肥料(過リン酸石灰、塩化カリウム、硫安)を使い、黒マルチで保温と雨除けをする。イモは50g程度に切りそろえている。購入したイモは5kgで50gとすると100ケ取れる。重量を計りながら、切ると無駄なく目標個数を切り分けることができる。昨年5月末に収穫して保存中に芽が出て、もはや食べられないジャガイモがあり、このイモも種芋として18ケ植え付けた。生育を比較してみる。
今、作業中で空いた時間があれば1,2時間程度行っているのが玉ねぎの除草である。今年は例年より、暖かいのか、雑草が青々と茂っている。11月に苗を定植してから、初めての除草である。もっと早くすれば、楽なのにと思いながら、除草している。まず、鍬で玉ねぎの株間を縦か横方向に草を土といっしょに削る。7条植え(条間20㎝)で株間は15㎝なので鍬の幅とほぼ同じで、慎重に鍬を条間、あるいは株間に入れる。30mの畝長なので、1回に10mずつ行った。次に手で玉ねぎの株周囲の雑草を除去する。これをしないと玉ねぎは雑草と栄養を競合することになり、大きく成長できない。大事な作業である。手ぐわを使って、周辺の土に鍬をいれて土をほぐす。すると雑草を引き抜きやすくなる。1回に10mの片側くらいしかできない。計算では18時間くらい要する。今年はこの作業後に追肥をする予定である。ニンニクやラッキョウも同様に除草する。
今日、30日にぶどうの剪定を行った。1月中に行わないと樹液が動くのでダメージが大きくなる。確かにかなり強めの剪定をおこなったが、樹液は滴り落ちない。切断面には腐敗防止の樹脂を塗る。ブドウの剪定は今年で実質、3回目くらいだが、やっとコツがつかめてきた。基本は昨年、新しく伸びた枝を二芽くらい残して切り詰めるが、全体を見て、将来の樹形を想定して、それから外れる枝、混んでいる枝や違った方向を向いた枝を切り落とす。
ジャガイモの植え付け
玉ねぎ畝の除草
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