10月の稲刈りでほぼイネ作りは終了する。乾燥・籾摺りは業者に依頼しているので、数日後に玄米を引き取りにいくだけである。来年の2月までイネつくりは休止期間となる。今年のイネ作りのためにどれだけ、労働したのか集計してみる。基本的には私一人で稲つくりをしているが、田植え、稲刈りだけは手伝いが居て2人でやっている。一人でもできるが、2人いれば効率が良く、早く終わる。作業日誌を見て、イネつくりの作業を次の7種類に分類した。1.圃場の整備、2.育苗、3.田植え、4.水管理、5.草管理、6.稲刈り、7.機械整備である。圃場の整備としては施肥、トラクタ耕耘、畔の拡幅工事、均平化、排水口・入水口の整備、水漏れ対策などを含み、田んぼをイネつくりのために整備する作業である。育苗には苗箱の洗浄から土入れ、種蒔きだけでなく、種の塩水選、温湯消毒、浸種を含み、苗床の準備、苗代でのプール育苗まで苗を作るための作業である。田植えには田んぼの代掻き、田植え、補植まで含む。水管理は田植え後の入水や水位をある範囲内に保つことである。香川県は降水量が少なく、ため池に貯水した水を大事に使う。具体的には週に2回の割合で隔日毎にため池の水門を開き、田んぼに入水する。上流に近い田んぼは早く入水できるが、下流になるほど、水の流れてくる時間は遅くなる。私の場合、比較的近いので水路の水量は豊富で約1時間で必要な量の水を田に入れることができる。田んぼに必要な水位を保つための管理である。機械整備はトラクタの爪交換、洗浄があるが、田植え機、コンバインなどは一年に1,2度の使用なので、使う前や収納するときに点検、試運転、注油、修繕などが必要となる。使用後の清掃も毎回必要である。これらの整備作業である。今年のイネ作りに投入した時間の総合は241時間であった。1日8時間の労働時間とすると約30日分に相当する。月20日くらいの労働が一般的なので、一か月半くらいの労働量ということになる。7種類に分類した作業時間の内訳をみると、圃場の整備がもっとも多く、61時間、次に水管理52.5時間、育苗43.5時間、草管理36時間と続く。水管理は6月17日のユル抜きというため池の放流開始から9月20日頃まで3ケ月間、水位を保つために隔日毎に入水する作業であり、24回の水入れでそれぞれ1.5時間を要するとそれだけで36時間となる。加えて苗代の水管理が加わる。とにかく、イネつくりで香川県の場合には水管理が大変なのである。開水路ではなく、パイプで給水し、いつでも栓をひねれば水を入れることができればもっと管理は簡単になる。草管理はまさしく、畔や農道、枕地の草刈である。1回2時間の草刈りを18回行っている。稲つくりを4か月とすると月当り4回以上となる。自走式草刈り機で大まかに草刈りできるが、細かいところは刈払い機で行う。だから、月2回ほど草刈りが必要ということだろう。畦畔がコンクリートであれば、この量は大幅に削減できる。実感として、イネつくりはそれほど大変という意識はない。田植え後の除草コロガシや草(ヒエ)抜きは暑い屋外での作業であり、キツイ作業であるが、田植えや稲刈りは機械化で1日で終わるので、それほどではない。何歳までできるかは見通せないが、機械化や作業を合理化することであと10年くらいはつづけたいと思う。
米作り労働時間累積
米作り労働時間分類別
今年もお盆を過ぎ、もっとも暑い時期を超えたように思う。燃えるような暑さの中で身体を動かして喉が渇いたときに冷えたスイカは本当においしい。糖度は高い方が良いが、水代わりに喉を潤すスイカは甘くなくても気にならない。この記憶があるので毎年、スイカを必要以上に作っている。冷蔵庫は2つあるが、夏の間はいつもスイカが冷えている。子供たちにも宅配で送っている。
今年は欲張って9種類のスイカの種を蒔いて、40株以上を定植した。しかし、温床の温度管理が不適切で品種によっては3月の種まきで発芽温度に達せず、発芽しなかったので、後日、そのポットを利用してそのままトウモロコシなど違う野菜の種蒔きに使ったところ、トウモロコシだけでなく、スイカらしき新芽が出てきた。土を再利用したつもりなので、どの品種のスイカの種につかったかはもはやわからなくなってしまった。だから、外観だけで区別できる品種しか同定できていない。これまでに確認しているものは5品種である。
今年の経験から、スイカを発芽させるには夜間の最低地温が10℃程度では不十分で20℃を確保しなければいけないということだ。3月の種まきの時期では外気温は夜間にほぼ零度付近まで下がってしまい、電気カーペットを使ってもポットの地温を10℃までしか確保できなかったのである。5月になるとさすがに夜間温度も上がり、発芽環境が整ったということであろう。トウモロコシといっしょにスイカも発芽してきた。
トウモロコシの定植の際に株を分け、定植は1-2か月遅れで行った株もある。そのため、収穫も遅れ、昨年は7月初めから獲れていたものが7月後半になり、遅いものではこれからという株もある。私は基本的に放任栽培なので、摘心や人工交配などは行わず、定植したらそのまま放任している。だから、1株で1個とれれば良しとしている。放任栽培でも2個取れる株もあるので、栽培畝はぜいたくに使っている。3m幅で大玉は株間を1.5-2mとしている。今年、最大の玉は9.4kgであったが、5-6kgのものが多く、全体に小さい。10kg以上を目指しているが、株の整枝剪定を行わないとエネルギーが分散してしまうのであろう。
今年の目玉は何と言っても「金色羅王」という品種である。黄色のスイカで糖度が高いという特徴の人気のスイカである。遅れて発芽したため、成長時間が短くて小さいのか、天候が7月、8月前半は極度に暑く、樹が枯れてしまい強制終了となってしまったためか3.2㎏程度しかなかった。しかし、切ってみると見事な黄色からオレンジ色で食べてみるととても美味しい。他の品種にない味であった。スイカも品種が大切なのだと実感した。今年、金色羅王はまだ1個しか確認していない。まだ、収穫はつづくが、来年もまた、がんばろうと思う。
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7月27日黒玉スイカ
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8月7日金色羅王
2023年7月23日
から Mat Grimm
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オクラの栽培を始めて恐らく、3年目か4年目であるが、作り始めて、やっと奥さんの … 続きを読む →
2023年7月21日
から Mat Grimm
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三日あるいは四日毎に田に水を入れるので、イネの状況が判る。その度に少しずつイネ … 続きを読む →
2023年7月12日
から Mat Grimm
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ネギには一本ネギと分決ネギがあって、私の理解では一本ネギは長ネギとか白ネギとい … 続きを読む →
2023年7月3日
から Mat Grimm
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らっきょうの酢漬けが懐かしいので、らっきょうを毎年、作っている。ニンニクと同様に … 続きを読む →
2023年6月29日
から Mat Grimm
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枯枝やもみ殻などに土を被せてマルチで保温した無肥料畝にカボチャやメロン、スイカ … 続きを読む →
2023年6月27日
から Mat Grimm
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田植えは機械植えが主流となり、単独でできるようになっても大きなイベントである。「 … 続きを読む →
2023年6月20日
から Mat Grimm
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パン用の小麦としてミナミノカオリを作っているが、昨年11月には加えて「ライムギ」 … 続きを読む →