グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

5年目のイネ作り:田植えまで

2024年6月23日 から Mat Grimm | 0件のコメント

手植えのイネ作りから始めて、今ではすっかり、機械式田植えに馴染んでしまい、もう手植えにはもどれない。15アール程のイネ作りであるが、手植えでは二人で二三日かかるが田植え機では2,3時間で終わる。昨年、所有の田植え機では大苗をうまく植えることができなかったので、今年は小ぶりな苗を育てて、田植え機で綺麗に植えることを目標とした。昨年は25日苗であったが、今年は21日苗で田植えを行った。苗の動きに問題はなかったが、しかし、別の問題が出た。苗を箱から剥がして取り出すと根が互いに絡んで1枚の絨毯のようになり、これを田植え機に装填するのだが、このシートが柔らかく斜めに装着するとシートに皺ができるように曲がりができ、苗の送りがスムーズにいかず、結果的にうまく掻きとれないで、欠株ができてしまう。そこで一旦、田植えを停止し、シートの曲がりを修正してから続行するということの繰り返しとなった。育苗で昨年と今年の差はそれほどないと思うが、今年はプール育苗で箱から根が貫通してプールの底土まで達していて、苗箱をプールから取り出すのに大変、力が必要で、場合によっては土といっしょに剥がれて重かったという。その理由として、苗箱の土入れの際に箱の底に専用のプラ用紙を敷かないで、新聞紙を使ったため、根が新聞紙を貫通して、箱の通水孔を通ってしまい、根が横に伸びないで、縦に伸びたためかもしれない。もう一つの理由として今年はプール育苗の際に常時水を入れ、早くから苗が水に浸かっていたため、新聞紙が溶けて、根の伸びを助長したかもしれない。プール育苗の時も土のうえにビニールシートでカバーしておけば、防止できるかもしれない。毎年、同じようにはできない。田植え後の漏水対策についても、新たな漏水モードを発見した。モグラの穴を伝って漏水があると場所の特定が難しい。水門からの漏水対策としては水門を取り囲む土手を作り、その土手で漏水を防いだ。現在の課題はジャンボタニシ対策である。大苗での田植えでは茎が硬くなっていて食害は気にしなかったのだが、20日苗では小さく、株も細いので、一たまりもないだろう。農薬は使いたくないので、タニシのトラップを考えている。ネットで調べると市販品もあるが、高価だし、手作りでは効果が保証されていない。もっとも簡単なペットボトルタイプを使おうと考えている。
イネつくりは実は稲刈り後から、すぐ翌年のイネ作りが始まるのである。緑肥として、菜の花を選択した場合には、種まきは稲刈り後くらいに撒くそうである。私は菜の花の一種である黄からしを2月に撒いて、発芽までは確認できたが、その後にいつになっても成長する気配を感じないまま4月になり、圃場のほんの一部に短い菜の花が咲いて、それ以外のほとんどは雑草のままであることから、緑肥の失敗に気づいた。そこで元肥は鶏糞をトラクタ耕耘の前に散布した。量は窒素成分で反当り3㎏程度である。5月に入り、いよいよ種まきで当初は育苗23日を計画をしていたが、ゆる抜きが2日ほど早かったのとイベントで種まきが昨年よりも1日遅れた。塩水選、温湯消毒、浸種、土入れ、種まき、シルバーポリトンネルでの育苗と昨年とほぼ同じように行った。発芽後にシルバーポリを除去してみると、苗の成長にばらつきが大きかった。どうも水やりが均一でなかったようだ。そこでプール育苗に切り替えて水をたっぷりと入れ、成長を促した。
今後は雑草を監視する。田植えと同時に深水にしており、苗が埋没する場所もある。圃場の均平度は代掻きを何往復もしてトラクタの代掻きだけでは改善できないレベルまで行ったが、いざ水を入れてみると高低差は6-8㎝はありそうである。雑草対策は深水、菜の花緑肥、コロガシであるが、深水が一番重要であると考えている。
昨年は30㎏入り米袋でニコマル28袋取れた。ほぼ反当り10俵であり、十分である。今年はこれまで行ったことのない追肥をやってみようかと思う。出穂の45日前というから、例年では8月末から9月初めが出穂なので、7月15日~20日前後に施肥すれば、穂肥になるという。慣行農法でもまだまだ試したいことがたくさんあり、稲つくりは奥が深い。さらに最近は不耕起栽培にも興味が湧いて、できれば検討してみたいと思う。

 

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キカラシ(緑肥)の種まき

2024年3月14日 から Mat Grimm | 0件のコメント

無農薬の稲作を今年も計画しているが、そのための今年第一の作業が緑肥として菜の花の一種であるキカラシの種まきである。茎葉を大きく育てて、花が全開の頃に土にすきこむ。菜の花緑肥は田植え後の水田で不思議と雑草が抑制されるのである。キラカシの腐熟した茎や繊維が徐々に、肥料としてだけでなく、雑草を抑制する成分を含んでいて溶け出すらしい。昨年はキカラシの種を蒔いたにも拘わらず、ほとんど発芽せず、緑肥としての役目はほとんど果たしていない。その原因を推定しているが、(1)稲刈り後のトラクタ耕耘1回で切り株が細かく砕土されていない。(2)種まき後に覆土をしていない。(3)雨がタイミングよく降っていない。この3つが考えられる。そこで、今年は種まき前のトラクタ耕耘を2回行い、PTO4の高回転で砕土した。そして、種まき後に覆土をすべく、「がんじき」で土の表面を軽く叩くと少し、砕土と同時に表面の種が土に隠れるので、覆土したことになる。あまり力も要らず、畝を1本づつ、順に行った。それでも4本か5本の畝で半日仕事となった。3枚の田、16aの「覆土」作業に3日を要した。そして、比較のために3枚目の田はその半分以上を覆土しないで種を散布したままにした。違いをみるためである。種まきは2月20日に行い、4.5㎏の種をいつもの蓋に穴を開けたプラスチックボトルで振りまいた。この方法は畝毎に撒く種の量を測定して容器に入れるのである程度、均一に蒔けるのだが、どうしても容器の振り方で出る量が変わってしまい、種の密度は均一ではない。緑肥用の肥料として、10aあたり鶏糞300kg をあらかじめ散布している。トラクタ耕耘は内盛耕から少し、中央部の土を外側に盛る二山盛耕のツメ配置にしており、ある程度の高さの畝ができている。水はけの悪い田なので、どうしても畝つくりは必須である。
3月14日の発芽状態を見ると昨年に比べるとどの畝もうまく発芽している。まだ、芽が小さくて3枚の田の発芽率のばらつきは目視できないがいずれはっきりと表れると思う。感覚的だが、「がんじき」による覆土の効果についても覆土無しと大きな発芽率の差はなさそうである。

キカラシの種と散布用容器

「がんじき」で土表面を叩いて覆土2月20日

3月14日の発芽状況

3月14日発芽状況の拡大写真

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麦の種まき

2023年11月18日 から Mat Grimm | 0件のコメント

小麦はパンを朝食に食べているので作り始めたが23年産の小麦は結局、食べないままとなっている。今年の夏は異常に暑くて、保存に失敗してしまった。保冷庫を入手したのだが、じゃがいもや玉ねぎの保存に使い、小麦までスペースを割けなかった。今年はそれでも新しい品種に挑戦する。ミナミノカオリに代わりニシノカオリを作る。また、前回からライムギを作り始めたが、今年も作る。畝つくりはニシノカオリ用に1.5m幅の畝5本(約200m)、ライムギ用に3本(約90m)を施肥後にトラクタ耕耘して少しだけ高畝にした。施肥は窒素成分で5㎏/反相当の鶏糞を散布した。トラクタの爪を二山盛耕になるように配置して耕耘した。平面耕に近いが溝が深くなり、畝幅はやや狭くなる。通常の6条ではなく、4条播きとするので条間は窮屈でないはずである。種まきはニシノカオリはスキップシーダーで手動で撒いた。スキップシーダーは棒をスタンプし、引き上げると同時にその穴に種が転がり込むように機構化されており、種を送り出す円盤の穴のサイズを選んで1回の種量を調節する。購入量からすると2ー3粒がベストだが、4-6粒になってしまうので1粒±1くらいのサイズを選択した。遊休地だったので草が生い茂り、草刈りはしたものの十分に腐熟していなかったので、トラクタ耕耘しても草と土が半々に混ざった状態となり、種まきゴンベエは使えなさそうに見えた。スキップシーダーで株間10㎝くらいでスタンプしていくが1畝の種まきに2往復するので5本蒔くのに2時間程度を要した。ライムギは「種まきゴンベエ」を使用した。回転するベルトに窪みがあり、そこに種がトラップされて送り出される。ライムギの種は細長いので手持ちのベルトの窪みサイズでは1粒がせいぜいであった。そこで2回、重ねて蒔いた。種まきゴンベエはさすがに歩く速度で撒けるので3倍以上速い。1時間程度で種まきが終了した。11月16日に種まきして17日、18日は雨模様でどんどんと秋も深まっている。もし、発芽が不十分であれば追加種まきも考える。下の写真では畔に草を盛って草焼きしている。

雑草の残渣が多く、スキップシーダーで小麦を種まき

5畝に4条ニシノカオリ種まき

4条4畝ライ麦をゴンベエで種まき

イネ作りの労働時間

2023年10月18日 から Mat Grimm | 0件のコメント

10月の稲刈りでほぼイネ作りは終了する。乾燥・籾摺りは業者に依頼しているので、数日後に玄米を引き取りにいくだけである。来年の2月までイネつくりは休止期間となる。今年のイネ作りのためにどれだけ、労働したのか集計してみる。基本的には私一人で稲つくりをしているが、田植え、稲刈りだけは手伝いが居て2人でやっている。一人でもできるが、2人いれば効率が良く、早く終わる。作業日誌を見て、イネつくりの作業を次の7種類に分類した。1.圃場の整備、2.育苗、3.田植え、4.水管理、5.草管理、6.稲刈り、7.機械整備である。圃場の整備としては施肥、トラクタ耕耘、畔の拡幅工事、均平化、排水口・入水口の整備、水漏れ対策などを含み、田んぼをイネつくりのために整備する作業である。育苗には苗箱の洗浄から土入れ、種蒔きだけでなく、種の塩水選、温湯消毒、浸種を含み、苗床の準備、苗代でのプール育苗まで苗を作るための作業である。田植えには田んぼの代掻き、田植え、補植まで含む。水管理は田植え後の入水や水位をある範囲内に保つことである。香川県は降水量が少なく、ため池に貯水した水を大事に使う。具体的には週に2回の割合で隔日毎にため池の水門を開き、田んぼに入水する。上流に近い田んぼは早く入水できるが、下流になるほど、水の流れてくる時間は遅くなる。私の場合、比較的近いので水路の水量は豊富で約1時間で必要な量の水を田に入れることができる。田んぼに必要な水位を保つための管理である。機械整備はトラクタの爪交換、洗浄があるが、田植え機、コンバインなどは一年に1,2度の使用なので、使う前や収納するときに点検、試運転、注油、修繕などが必要となる。使用後の清掃も毎回必要である。これらの整備作業である。今年のイネ作りに投入した時間の総合は241時間であった。1日8時間の労働時間とすると約30日分に相当する。月20日くらいの労働が一般的なので、一か月半くらいの労働量ということになる。7種類に分類した作業時間の内訳をみると、圃場の整備がもっとも多く、61時間、次に水管理52.5時間、育苗43.5時間、草管理36時間と続く。水管理は6月17日のユル抜きというため池の放流開始から9月20日頃まで3ケ月間、水位を保つために隔日毎に入水する作業であり、24回の水入れでそれぞれ1.5時間を要するとそれだけで36時間となる。加えて苗代の水管理が加わる。とにかく、イネつくりで香川県の場合には水管理が大変なのである。開水路ではなく、パイプで給水し、いつでも栓をひねれば水を入れることができればもっと管理は簡単になる。草管理はまさしく、畔や農道、枕地の草刈である。1回2時間の草刈りを18回行っている。稲つくりを4か月とすると月当り4回以上となる。自走式草刈り機で大まかに草刈りできるが、細かいところは刈払い機で行う。だから、月2回ほど草刈りが必要ということだろう。畦畔がコンクリートであれば、この量は大幅に削減できる。実感として、イネつくりはそれほど大変という意識はない。田植え後の除草コロガシや草(ヒエ)抜きは暑い屋外での作業であり、キツイ作業であるが、田植えや稲刈りは機械化で1日で終わるので、それほどではない。何歳までできるかは見通せないが、機械化や作業を合理化することであと10年くらいはつづけたいと思う。

米作り労働時間累積

米作り労働時間分類別

 

 

令和5年のイネ作り:稲刈り

2023年10月11日 から Mat Grimm | 0件のコメント

昨年はうるち米品種として「ヒノヒカリ」と「ニコマル」、モチ米として「みやたまもち」を作ったが、それぞれ5アール、7アール、4アールという面積である。品種毎の量は少なくなり、乾燥工程で特に効率が悪く、乾燥・籾摺りを依頼している業者から苦情が出たので、今年はうるち米は「ニコマル」の単一品種とした。モチ米は1アールくらいとして、乾燥を外注しないで天日乾燥する予定である。小麦を天日乾燥しており、少量であれば、なんとかなる。昔は「むしろ」という藁でできた、通気性があって丈夫な敷物があり、その上に拡げて干したが今はそれを入手できない。浅底の木の箱で代用している。
イネ作りの田んぼは3枚で、2月に緑肥作物として「キカラシ」を種まきしているが、今年は例年と違って、2枚の生育が悪く、1枚のみが良かった。「キカラシ」は菜の花の一種であり、肥料としてだけでなく、田植え後にその腐熟したものが稗などの発芽を抑えるという雑草抑制効果が知られている。そのキカラシの生育が不良だったので田植え後の稗が懸念されたが、その割には手に負えないほどではなかった。コロガシも一度だけでしかも条間のみ実施しただけである。恐らく、抑草には田植え後の深水が一番重要ではないかと思う。水漏れがあると水位が下がり、標高の高い箇所で土が水面から露出すると草が発芽してくる。コロガシで発芽した雑草を土と水で攪拌するので、浮き上がってほとんどが枯れてしまう。私の場合にはコロガシはカゴ車を刈払い機に取り付けてエンジン駆動でかご車が回転するので人力で押す必要はない。しかし、一条毎に歩く必要があり、とても時間がかかる。なんとか、田植え機を改造してコロガシを乗用化できないかと考えている。今年の田植えは苗が25日苗で発芽後、緑化の段階でプール育苗としたので、苗丈が大きくなり、25㎝以上あった。そこで苗を短くカットして、田植え機の捌きを良くしたものの、1-2株植えを狙ったが、むしろほとんどが4-5株植えになってしまった。爪で掻きとるのだが、大苗なので1-2株を掻きとるよりも4-5株の方が安定的である。本来は大苗で尺角植え(坪36株)の粗埴にしたいのであるが、田植え機にそこまでの調整範囲がなく、坪50株で我慢している。手植えはさすがに体力的に自信がない。機械植えに頼らざるを得ないが、ポット植えができ、大苗や粗埴に対応している田植え機は数が少ないのか中古で出回っていない。
今年は例年以上に気温が高く、田んぼの水に藻が発生して濁っており、コメに悪影響しているかもしれない。次の図は気象庁の今年の高松(7-8月)の気温と日照時間のデータで例年をかなり上回っている。通常、7月20日頃から8月4日まで「中干し」という田んぼの水を制限して田を乾かすが、これまで私は一切、行っていない。通常通りに水をたっぷりと入れて田を乾かせるということはしなかった。中干しは分決を停め、成長エネルギーを実の充実に導くためという。そのためか、私の作るイネの丈は伸びて周囲のイネに比べて明らかに高い丈となっている。中干をしないとモミの粒は小さくなるという。確かに、私のコメは粒が小さいので、品種の特性と考えていたが、中干をしないためかもしれない。来年の課題にしたい。田への最後の入水は9月20日で落水は9月26日にして、以後は田を乾かしている。かなり乾燥してきたが、10月8,9日と雨が降り、ぬかるんでコンバインが沈みそうなので、10月10日の稲刈りを10月11日に遅らせた。11日は朝から田んぼの「すま」刈りをして、コンバインの回航ルートのスペースを確保する。3枚の内、最も低い田んぼの山側の畔際はぬかるんでおり、長靴沈み込み許容値6cmを超える可能性がある。最後に残しておき、慎重に低速で稲刈りを行なった。刈り取った籾は例年より、多そうで数量的に期待できる。玄米になるのは2,3日後である。田植え後、数日して見回ると苗が浮いて欠株となっていたり、枯れてしまったりした箇所に補植をしたが、このような補植の苗は稲刈りの時期にはどうなっていたのだろう。丁度、6月17日の田植えから22日後に補植した一角があったので、その後の生育状況を追った。稲刈り前までにはほぼ追いついている。田の端に位置して、日照に恵まれた環境であることも助けていると思う。まだまだイネつくりには不思議が多い。

 

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