グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

水稲;田植えから1か月

| 0件のコメント

今年は6月14日にため池の灌漑水が初放流となり、田に水を入れて代掻きをして、翌日の15日に田植えをした。最初の2回の放流は二日連続してあるので、田植え後に深水にしようとすると初日に代掻きをし、田植えを二日目の午前に終わらせ、午後に水を入れることになる。3回目の放流は2回目の三日後となるからである。深水を気にしない人は田植えを代掻きから1日置いて翌々日に行う。しかし、深水にしても水の抜ける田では翌日には土が露出するほどに水位が減ってしまう。土が露出するとそこにはびっしりと草が生えるので、土を露出させてはならない。除草剤を使う人は余り土の露出には気にしない。田植え後の水管理でもっとも大変なのが、この漏水対策である。どこから漏水しているかを見つけて怪しい箇所の踏み込みを行う。たいていはモグラの穴なので足で強く踏み込み、穴を潰す。水田にスケールを吊るして、水位の変化が判るようにして、半日毎に読んで、変化の大きい場合にはどこか漏水箇所があることになる。田植えから1,2週間は漏水対策に忙しい。畔がコンクリートで漏水の心配のない田であればどれだけ気楽だろうと思う。しかし、好天による蒸発や、土の底であるので、沁みだす水量もあり、1日で2㎝程度の水位低下は避けられない。そこで三日間の断水の間に6㎝の水位低下を見込んで、配水の日には水位を8cmくらいまで下限値から確保している。
田が均平であれば、水を張っても8cmの深水にすることは不可能ではないが、高低差があるので、深いところでは12,13cmとなる。苗の丈は田植え機の苗のハンドリング上、制限され、13㎝以下に切り詰めている。したがって、低い箇所では苗が水没することになる。田植え直後は苗も小さいので配水日には水没に近い水位まで水を入れるが、2,3日もすると苗も危機を感じるのか丈が急に伸びて、水没しないようになる。または消えてしまう。一週間後になると活着し、生き残る苗と勢いのない、消滅する苗がはっきりする。そこで、水入れの日には満水になるまで、1-2時間の間、消滅する苗や欠株となった箇所の補植を行う。欠株が一つだけである場合には隣の株が補うように大株になるので、そこには原則、補植しない。2つ以上欠株が続く場合には株間30㎝を基本に補植している。田植えから1か月くらいするといつの間にか苗がしっかりして、苗が開くようにブンケツが始まっている。
田植え後一週間すると苗が活着し、除草をすることができる。どうしても2,3日土が露出する箇所があり、そこには雑草が生えるので、小さい内に土をかき回せば、雑草の芽が浮いて除草できる。この段階ではチェーンなどで土の表面を軽くひっかく程度で除草できる。ネットで調べたがチェーン除草器は販売していない。ほとんど自作しているようだ。来年には検討してみたいと思う。2,3mの棒にチェーンを一定の間隔でぶら下げ、この棒を引っ張るだけである。田植え機に取り付けて、引っ張れば、田植えと同じくらいの時間で除草できる。ある程度大きくなった雑草を除草するには動力のついたカゴや羽が回転して土の表面でなく、ある程度の深さまで掻きとる装置が必要となる。田植え機に装着できる除草機が商用化されているが、私のような定年シニア農業者にはとても手が出る値段ではない。
田に入って、補植や漏水対策をやっていると田の水の中に小さな水生生物が動き回っており、水田が豊かな生物の繁殖する場を提供していることを実感する。(令和7年7月7日)

Follow me!

コメントを残す

必須欄は * がついています


PAGE TOP