余り考えずに今年も昨年と同じ11月18日に種まきを開始することにした。品種も同じ「ミナミノカオリ」である。昨年の収穫小麦を種に使う。もう一度、トラクタで仕上げの耕耘をしようと考えていたが、11月8日から12日まで断続的に降った67.5㎜の雨が乾かずにぬかるんで田に入れない。当初はトラクタのロータリーカバーに突起物を取り付けて、耕耘と同時に浅い播き筋をつけることを計画していたが、あきらめて、田植え紐をつかうことにした。1.5m幅の畝に30㎝間隔で4条播きとする。昨年は同じ幅で3条播きであったが、 もう少し密にしようと思う。 ミナミノカオリは穂あたりの粒数が少ないので、穂数を増やすことが増収になるという。30㎝の条間があれば、土寄せもなんとかできるだろう。
昨年は数粒ずつ、手で10㎝~15㎝間隔で土にすこし押し込みながら、点播きした。これは種をつまんで土の表面まで手を伸ばしながら、歩くので実際、腰に負担がかかる。それほど長時間できない作業であった。だから、6つの畝の播種に3日間を要した。
今年は何か、楽な方法はないかと考え、ネットで見た種まき治具を参考に中空のパイプと漏斗を使った治具をつくり、かがまなくても種をまけるようにした。腰を曲げないで歩きながら、パイプに取り付けた漏斗に種を数粒、入れるとパイプを通して種が地面に落ちる。これは腰に負担がかからず、非常に楽である。しかし、パイプの先が接地すると土が内側に入り、詰まって種が落ちなくなる。土との間隔が開くと、種がばらけて広い範囲に飛び散ってしまう。その間隔の維持に神経をつかう。また、一度、種を播いた後に土寄せを行い、種に薄く土を被せる作業が必要となる。しかし、1日目で3畝(12条)の播種が終わった。非常に楽であった。
2日目は土寄せが不要となる方法はないかと考え、もう一つ短いイボ竹を先に地面に刺さるように並べて固定し、この矢じり部分で穴を開け、次にパイプをこの穴の上に置いて種を落とすことで土寄せしなくても数センチ深さの穴に種を播くことが可能な治具にして、種まきを行った。半日を使って、1畝だけが終了した。思いのほか、最初に開けた穴に種をたがわずに落とし込むことがむつかしく、神経も時間もかかった。
次に考えたのが、穴を開ける代わりに溝をつけることである。管理機の尾輪を使って、この重量で浅い溝をつけ、尾輪のすぐ後方にパイプを取り付けて、溝に種を落とすという趣向である。これは穴よりも溝に狙いが自動的に定まるので楽である。しかも溝に種が落ちるので飛び散らないでまとまる。しかし、欠点としては尾輪の重量では沈まないので手で持ち上げて落とす勢いで溝の深さを確保する必要がある。ぬかるんだ箇所では深くなりすぎないように逆に軽く調整しなければならない。3日目は2畝を終えることができた。
結局、8畝を4日をかけて終了した。結局、治具で楽な作業とはなったが、手で播く以上、種を手でつまんで置くという作業は同じであり、これを早く行う工夫がない限り、これ以上は早くならない。課題は適量の種を素早く取り出す工夫である。これはいろいろ市販されている種まき器の原点である。また、今年は昨年に比べると箇所当たりの種の量が2倍以上となっている。自家種であり、選別も行っていないので発芽率はそれほどよくないだろうということを考慮して、厚播きとした。22日の今日は60㎜程度の雨が降っており、排水のよくない田であり、発芽を祈るばかりである。
小麦の種まき2021
2021年11月22日 | 0件のコメント