今年のイネ作りは従来の手植え(5.5葉苗、35日苗)に加えて、田植え機による移植も計画している。加齢とともに手植えが体力的に難しくなってくるだろう。古い田植え機があるので、なんとか利用できないかと思う。手持ちの田植え機は標準的な稚苗(20日苗、3葉苗)を密植(坪当たり50~70株)する仕様である。稚苗なので深水にできず、ヒエが生えやすい。密植なので、日当たりや肥料が一株当たり少なくなり、株の成長は限定的であるが株数で多収穫となると言われている。本当にそうか実際に作ってみたいと思う。栽培規模が大きくなると機械植えは必須であろう。
手植え苗はいつでも水を入れられ、排水も容易な場所に苗代をつくり、籾を播く。塩水選・温湯消毒、浸種開始を5月3日に行い、5月10日に終了した「ニコマル」を冷蔵庫の野菜室(5℃)にいれて播種まで保存する。鳩胸状態になったかどうか自信はないが、1週間で浸種を終え、冷蔵庫にいれ、播種の前日に取り出す。塩水選ではうるち米に対しては比重1.14、もち米に対しては1.08くらいで選別した。もち米は最初1.10で選別したが、浮く籾の量が多いので、水を入れて薄めた。温湯消毒については水20Lくらいを寸胴に入れ、卓上コンロで60℃に温めるのであるが、時間が40分程度かかる。そこで塩水選に取り掛かる時にコンロに火を入れる。そうするとちょうど、良い。そして、塩水選後の籾を水洗いして、62℃になったお湯に籾袋を入れて、数回上下させると水温が60℃くらいに下がる。コンロの火を入れたり、切ったりしながら、10分間、60℃前後のお湯で消毒をする。65℃で消毒をするという方法もあるくらいだから、58-62℃の範囲にあれば良しとする。58℃まで下がると60℃にするのに3-4分かかるので消毒効果に影響するかもしれない。10分経過すると用意した冷水に浸し、揺すって籾の温度を下げる。次に浸種に移る。浸種は10℃~14℃の水に7日間~9日間つける。水道水を発砲スチロールの箱に入れるが水道水の温度が高いので、冷やした保冷剤を入れて温度を制御する。時々、水温を見て、保冷剤を取り換える。15℃になることもあった。5月15日に種まきである。14日に冷蔵庫(5℃野菜室)から籾を取り出し、必要量を新聞紙の上で乾燥させておく。
苗代の準備を5月3日頃から開始した。乾田状態でよく耕す必要がある。苗代の予定地で鍬で耕すと固い土の状態が残っていると短冊をうまく作れない。水を入れて代掻きするときに流動性の高いドロドロの土を作り、高さを一定にした短冊を作る。結局、乾田の時にトラクタで一定の深さまで細かく土を砕いておく。水が漏れないように畦波板を畦に沿って埋め込む。今回、学習したことは畦波板を埋め込んだ後、その波板の際を乾いた状態で土を踏んでしっかり固めておくべきである。その後、水を入れたときにいくら踏んでも固くしまらないからである。この溝の部分が柔らかいと歩くときに足を取られる。畦波板を設置後にいよいよ水をいれて、代掻きをする。入れる水の量は土が見えるくらいで止めておく。耕して水と混ざると流動性が高まり、全面、水に隠れるくらいになる。代掻きは短冊を作るので鍬で行う。今回は3回くらい代掻きをした。代掻きは何回やってもやりすぎることはないという。そのたびに短冊の高さを揃えたり、幅や直線性を出したりと細かく形状を調整する。今回は3本の短冊を作ったが、2本は手植え用で残りの1本は機械植え用の苗箱をプール育苗するときに使用する。2本の短冊を先に種まきするので、高さを揃えて作る。今年はレーキを使って、何回も表面を軽く削るようにぐるぐると巡らせて、表面の凹凸をなくして、高さを揃えた。種まきの3日前には水を抜いて、短冊を乾燥させる。今年は2日前まで雨が降って、乾燥が不十分である。
5月15日に前日に冷蔵庫から取り出し、新聞紙の上で乾燥させてあった籾を2合ずつ、小分けして袋にいれておく。短冊の1坪(幅1.1m長さ3mに相当)当たりに2合の籾を播く。9m2本の短冊をつくってあり、都合12合のニコマルの籾を播種する。反当たり8合の籾なので、短冊2本で1.5反分の苗をつくる。苗1本植えだと苗が余るが2本植えすると足りないかもしれない。籾の播種の後、土ぼかしを散布する。これもあらかじめ、1.5㎏ずつ小分けする。そして短冊3mに1.5㎏を散布する。そして、その上から、籾が見えない程度にもみ殻燻炭を被せる。フルイを使うと厚みを均等に散布できる。その後、板を使い、鎮圧する。体重を掛けて、土と籾を密着させる。これで土の水分が籾に吸収される。これで播種は終了であるが、風が強い日や寒い日があると籾が吹き寄せられることも過去にあり、寒冷紗でトンネルを作ることにした。トンネルの支持棒の外側に包丁で短冊の土に切り込みを入れ、そこにカンレイシャの端を押し込んでトンネルを固定する。5日位で発芽するはずである。
イネの育苗;苗代
2022年5月19日 | 0件のコメント