近隣のため池には鯉などの川魚が養殖されているらしいことは池の立て看板などから知っていた。近くで、農作業をやっていたが、前日から溜池の堤でトラックが留まり、ボートを下ろしたり、数人が何かを準備していた。そして、今朝、作業の前に何をしているか近づいて見ると、魚を捕獲しようとしている最中であった。
すでに魚網を数人が堤の上で引いており、 海の砂浜などで地引網を引いていることは見たことがあるが、溜池で魚を捕獲しようとすると同じような方法をとるのだなと納得した。近くで作業をしながら、捕獲の経過を時々、見に行った。網の輪をだんだんに小さく引き絞っていき、最後は2-3mの輪にする。網を持ち上げると、バシャバシャと魚が跳ねてたくさんの魚が捕獲されているのが判る。
それから、魚を網で掬ってプラスチックの箱に移し、道路に留めてあるトラックに付いているクレーンを使ってプラスチックの箱を吊り下げながら、トラックの水槽に移していく。近くに川魚料理屋があり、そこで出すのであろうが、さらに小さいプール程度の池に移して、需要があるまでそこで生かしておくのであろう。
私が子供の頃から、このため池には鯉が放流してあり、釣りをやっているのが見つかると叱られるということであった。その頃から続いているとすると随分歴史のある養殖である。2019年まで千葉に住んでいたが、千葉の沼にはブルーギルやブラックバスなどの外来種が増え、日本原種の鮒などはほとんど見られなくなっていた。遠くからの観察なので何とも言えないが、捕獲されている川魚は少なくとも鯉や鮒のようであった。台湾ドジョウともいうが巨大な雷魚も網にかかっていた。鯉も外来種であるがブラックバスはまだ入ってきていないようであった。
ため池は水利組合が管理しているが、養殖利用料を受け取っているようだ。 餌代は不要であろうが、 船や網、クレーン付きトラック、水槽などかなりの設備投資が必要であり、真似のできにくい川魚の養殖をコアとするビジネスモデルである。知人の兄弟が新潟で温泉旅館をやっていて、その旅館の特別料理として鯉を出しているという。やはり、池で養殖しているという。川魚というニッチだが、一定の需要があるのであろう。
ため池養殖魚の捕獲
2021年11月23日 | 0件のコメント