グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

2022年9月28日
から Mat Grimm
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りんごの収穫

 温暖な西日本に住む私にとって、りんごは憧れの果物である。植木市で売られていた当地域でも育つという2本の苗木(フジと津軽)を購入して畑の隅に植えてあったが、今年は初めてりんご(フジ)が実った。たった4個であるが、獲れたことで来年に向けて、樹の世話に力が入る。「津軽」の方は受粉のための樹である。2019年11月に植えたから、ほぼ3年が経とうとしている。花が咲き、小さなリンゴの実が付いていたが、落ちるかもしれないのでそれほど期待はしていなかったが、風で枝が大きく揺れるので、支持棒を立て、枝を吊るようにして紐で結び、枝が折れないようにしていた。リンゴは徐々に大きくなっていくが、同じ枝に近接して2個がなっているので大きさの差ができ、最後まで差は縮小しなかった。袋を掛けていないので、リンゴの表面が汚れてきて、一方は傷が付いたりした。やはり袋掛けは必要だろう。少し赤みがあるものの、まだ緑色であったが、収穫した(9月25日)。梨の実は待っている間にいつの間にか落ちてしまったので、収穫のタイミングの見極めは難しい。リンゴを生食しようと思っていたが、妻が早速、1個をジャムにしておいしいものができたので、全てジャムになってしまう。イギリスでは大量の実からリンゴジュースを作り、瓶詰めして保存していた。いろいろ楽しめそうである。

2022年9月27日
から Mat Grimm
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秋ジャガイモの芽出しと植付

 ジャガイモについてはほぼ栽培方法が確立している。秋ジャガも二シーズン目で、トロ箱やプランターに川砂を入れ、9月初めに種イモを埋める。9月中旬以降に芽が出たイモを取りだして、畑に植え付ける。気温が下がる10月以降になってから、種イモを植付したのでは収穫までの短い時間では十分に大きく成長しない。しかし、9月初めに直接、種イモを埋めると半分くらいは腐って芽がでない。だから、トロ箱で芽だしを行ってから、圃場に植える方が確実に収穫できる。秋ジャガはニシユタカ、出島という品種が休眠期間が短く、芽が出やすい。そこでこの品種を植えているが、メークインや男爵も確率は低いが芽が出る。来シーズンの種イモとしてメークイン、男爵も一緒に芽出しして、植え付けた。メークイン、男爵は5月に掘り出したものがまだたくさん残っていいるが、一定の割合で腐ってしまう。だから、来シーズンまでは長期保存できない。そこで秋ジャガとして栽培し、翌シーズンにつないでいく。ジャガイモは比較的、生産と消費、種イモ作りがうまく回転している。大きなイモは煮込みだけでなく、フライドポテトやポテトサラダに欠かせない食材となっている。今年は9月25日にニシユタカ15株、メークイン8株、男爵3株を植え付けた。黒マルチは春に使ったものを再利用している。施肥は9月9日に行い、窒素成分で反当たり7.7㎏でやや少な目である。

2022年9月27日
から Mat Grimm
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インゲン豆の定植

インゲン豆にはいろいろ種類があるが、つるなしのうずら豆と本金時豆の古種があり、少し時期は遅いが、9月1日にポットに種を播いて発芽して本葉5枚程度まで大きくなったので、9月26日に畑に定植した。種が古いせいか、発芽率は低く、6割程度である。昨年は直播したが発芽したものの生育が思わしくなく、豆を取るために冬まで放置していたため、樹が貧弱となり、豆の収穫は行っていない。今年はポットで育苗し、それを定植する。南の畑に5mほどの2つの畝にうずら豆11株、本金時豆9株を定植した。あらかじめ、施肥して黒マルチで被覆している。豆類はこれまで余り成功していない。枝豆を今年は低地の水分の多い土地に植えた所、さやが膨れておいしい枝豆がとれた。夏の暑い時期に乾燥する土地では豆に実が入らない。熟するときに水が必要で、水分の多い土地が適していることが判った。インゲンは畑に植えたので、水分は多くない。果たして、実は入るのか、適地を探す意味でもいろいろな環境の土地に植えて試したい。

2022年9月26日
から Mat Grimm
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秋冬野菜の進捗

 9月に入っても残暑が厳しいが10日を過ぎて朝晩は涼しくなってきた。アブラナ科の秋冬野菜は順調どころか、苗が枯れてしまって何回目かの種まきをしている状況である。
 露地への直播は発芽率が低いことは承知していたが、ポットに種まきしたものが発芽してこれから大きく成長するというときに虫に食われたり、酷暑のために枯れてしまい、残ったものも定植したが、やがて消えてしまった。
 8月13日、8月14日、8月18日にポットに種まきし、グリーンハウス内では高温となってしまうので、ポットを庭に並べて粗い目のネットで遮光を目的にトンネルを作って収納していたが、発芽したもののネットの目が大きくて1日で芽を虫に食われてしまう。
 まだ苗は小さいが急いで定植し、防虫ネットでトンネルを作り、保護したものの、その後の厳しい暑さや9月の大雨でほとんどの苗が生き残れなかった。
 キャベツ、ブロッコリー類、白菜は9月2日、4日に露地のトンネル内に種を直播し、同時に9月4,5日、13日にポットにも種まきした。ポットは今度は目の細かい防虫ネットで囲い、虫害を防いている。白菜は露地のトンネル内に100穴以上に種まきしたが、その内30株ほど発芽しており、今日13日に50穴程度に追加で種まきした。
 虫の害を防ぐには農薬を使えばよいのだが、ここは無農薬で乗り切りたい。そこで、種まき後、すぐに防虫ネットで囲ったのであるが、それでも食害されて葉が欠けていたり、穴のあるものがある。土の中にいるらしい。黒マルチの下に隠れているのか、土の中にいるのか。だから、防虫ネットだけでは防ぎきれない。ネットの中に潜んでいる虫を除去するには高温で熱消毒をする方法がある。種まき前に透明マルチで被覆し、熱消毒するのだが、黒マルチを張り、防虫ネットで囲った今となってはこの高温消毒はできない。
 白菜は9月末まで追加で種まきして、虫害を最小化してなんとか80株を成長させたい。ブロッコリー類はもう時期的に遅いので、芽が出ているものを枯らさないように守るしかない。今年は芽キャベツ、ロマネスコは絶望的である。ケールはポットで発芽しているものを何とか定植したい。限界時期まで何度も種まきして数量を確保する。
 夏の暑い時期の育苗は難しい。日陰で風通しのよい場所を確保する必要がある。広い軒下が望ましいがそのような場所がない。課題である。

2022年9月1日
から Mat Grimm
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西瓜栽培のステップアップ

 今年の西瓜の出来を振り返る。すべてを記録しているわけではないが、収穫した日と個数をまとめてみると7月10日から8月17日までに約45個を収穫している。その内、18個を産直に出している。重いし、売れる数も知れているので一回に1-3個を出す。スイカの大きさは最大のもので9.2㎏であった。6-7㎏がもっとも頻度が高い。
 種を播いて育苗する自根栽培であり、4品種37株を定植した。1株当たりの収穫個数は1.2個である。品種によって異なるが種袋を見ると株当たり2個程度にすると書いてある。37株のうち、7株は別の畝に植え、全くの放任栽培となってしまった。そのせいか個数は14個ぐらいで大きさは中程度である。放任栽培の場合には大きなものは出来にくい。
 プロ農家のYさんによると株の枝の14節くらいに実を留まらせてもその14節より根に近い方の枝葉は果実の充実に貢献しないので、除去しなければ栄養が分散される。果実より先端側の枝葉のみが貢献するのでこれを残すようにする。そして株の主枝を摘心し、4本立てにして各枝に1個の果実を結果させるという。こうすれば10㎏以上の大きなスイカが株当たり4個はとれるという。Yさんは15㎏くらいの大玉を作っていた。
 私の場合、30株は摘心し、4本仕立てとしたが、その子枝や孫枝は放任となってしまった。人工受粉交配も1-2回程度しかやっていない。だから、株当たりの果実個数は自然交配によるもので少なくなってしまったのかもしれない。今年は4品種のうち、3品種はいわゆる黒皮という品種で、皮が固い。カラスが突いても割れないというが確かめてはいない。カラスの害は黒の防鳥糸で防ぐことができた。
 肝心の味であるが、個人的な感想ではどれもおおきなものは甘くほぼ同じ程度ではないかと思う。むしろ、樹の元気なうちに増大したものはみずみずしくかつ甘いという印象をもっている。樹の勢いが衰えて増大が途中で止まったような玉は味も薄いような印象である。
 今年は1.5m幅でなく、3m幅としてしかも高畝にして大雨に備えたが雨が少なく、高畝で傾斜ができ、スイカが転がり易く、座り場所をつくるのに苦労した。来年は平たんな高地のような畝を作りたいと思う。今年は6月、7月と晴天が続いたおかげでどのスイカも味が良く、はずれがない。スイカにとっては当たり年かもしれない。来年は15㎏の大玉を狙いたい。

2022年8月18日
から Mat Grimm
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アブラナ科野菜・レタスの種まき

 行き付けの種屋さんで、忘れている野菜がないか、面白い種がないか物色する。お盆の最中でお客さんは少ないのでゆっくりと回る。そして、アブラナ科の芽キャベツの種が売り切れていることに気づいた。昨年もお盆頃に来て、やっと見つけたことを思い出す。芽キャベツの種まき時期は7月初めから7月末となっていて、昨年も8月後半に種を播いたが、同じ轍を踏んでいる。キャベツは「初秋」という種が残っていたのだが、播種適期が7月中までとなっていて、遅いので新たに「シティ」という品種を購入した。これでも播種適期は西日本で7中~8中または10初めとなっていて、すぐ播いた方が良さそうである。芽キャベツはもどって在庫の種袋を確認するとまだ20本程度は十分ありそう。8月13日にブロッコリー、ロマネスコと合わせて早速、種まきした。ケールは昨年から作り始めたが、大型のパセリような葉でとてもゴワゴワとして生では固くて食べられない。茹でてもそれほど変わらない。どうやって食べたらいいかわからないが、とりあえず、冷凍していたが、バナナジュースを作る時に牛乳といっしょに冷凍のケールを入れ、ミキサーで混ぜると乳緑白色のおいしそうなジュースができた。飲むとおいしいのでケールは冷凍保存することにした。その後、品種を変えて、葉にギザギザの少ない「青汁ケール」というものも作っているがまだ試していない。ブロッコリー、キャベツ、ロマネスコ、ケール、芽キャベツを1.5m幅の畝に2条、株間50㎝で植えてきたが、芽キャベツは成長が不足気味で小さい芽キャベツしか付かないものもあった。もっと広いスペースでたくさんの肥料が必要のようである。芽キャベツは株間を広げて1条植えが良さそうである。レタスは玉レタスもサニーレタスも作り易くて、特に失敗がない。特にサニーレタスはどの時期でも柔らかくてサラダには最適である。とうもろこし跡にも定植しようと思う。玉レタス90pots、サニーレタス45potsを種まきした。白菜は黄芯65日型、70日型の残り種があったので、8月18日にポットに種まきした。65日型40pots、70日型40potsである。白菜は8末~9初にも追加で種まきする予定。今年は特に暑いのか、お盆前後で連日、最高気温は34~37℃、最低温度26-28℃という猛暑である。生育適温が20℃前後なのでそのような環境のポットの置き場所に困る。トンネルを作って、遮光して温度が上がらない工夫をしたい。しかし、晴れた午後には地温を測定すると35℃くらいになる。さらに遮光することが重要である。

2022年8月13日
から Mat Grimm
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秋冬野菜の栽培構想と炭素再生型農業

2019年から野菜を作り始めて、4年目となり、年間の栽培サイクルが頭に入って、不十分ではあるが種まき時期や畑の準備を見通せるようになっている。しかし、あまり記憶に頼ると失敗することもあったので、注意が必要である。秋冬野菜はアブラナ科(ダイコン、白菜、カブ、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、ロマネスコ、ケールなど)が中心で畑の栽培箇所(20m×3畝、10m1畝)を連作障害を考慮して第一に決める。ダイコンやブロッコリーは成長すると防虫ネットを押し上げて、隙間から虫が浸入するので、幅1.8mの防虫ネットにすべて替えようと思う。白菜は植替えに弱いので直播としてきたが、これまで発芽率が低く、欠株箇所に追加で種まきしていたが、結局、玉にならずに花が咲いてしまうことになった。今年は直播に加えてポットにも種まきして欠株にはポット苗を植えることにする。ブロッコリーは頂花蕾を取るタイプと「スティックセニョール」などの茎をとるタイプがあるが、頂花蕾だけでなく、脇芽にも大きな蕾をつけるタイプ(セカンドドーム型)があり、1株で2個以上とれるのでこれを主としたい。カブはおいしいと言われる「金町こかぶ」を作ったが、虫に食われたり、発芽率が低かったりで意外に栽培が難しい。畑に長くおいても大きくならず、千枚漬けにもできないので、品種を変えて、作りやすい耐病タイプを作ろうと思う。次に玉ネギ、ニンニク、ラッキョウ、長ネギ等のネギ科で特に玉ネギは600個以上作り、今年は貯蔵性の良い小さくて固い玉ネギがとれた。極早生品種の「絹てまり」は遅く種まきしたにも関わらず、玉になるのも早く固いものができたがさすがに成長期間が短かったので玉が小さかった。今年はこの極早生を時期を逃さず種まきして、ある程度の大きさの新玉ネギとして産直に出したいと思う。貯蔵用としては中晩成の赤玉ネギが作り安く、固くて大きかったが用途が生食サラダ用に限定されているようで100個くらい作れば十分か。ほうれん草、ビーツ、フダン草(スイスチャード)などのヒユ科の野菜は発芽率が低く、まだコツを掴めていない。特にほうれん草はタイミング良く間引いて収穫しないと大きな葉の株は取れない。秋播きは赤い根まで食べられる日本種のほうれん草が向いており、「次郎丸」をつくる予定。問題は天候である。ビーツも3回くらい種まきして何とか欠株を埋めている状況である。気温と雨等を記録して、どのような時期に種まきすべきかを探りたいと思う。キク科のレタス、春菊は比較的作りやすい。玉レタスも春菊もタイミングを逃さず収穫しないと柔らかくておいしいものはいただけない。目につくところに植えることが意外と重要である。小松菜やフダン草、春菊、水菜などはハウスの中で作る方が虫の害も少なく、目につくので忘れなく収穫できる。
  最近、炭素再生型農業という番組を見たが、これは有機農業とも異なり、土壌の中に炭素を固定する農業、多様な菌類や生物が土壌を豊かにし、その土壌を利用した農業ということらしい。トラクタによる耕耘、単一品種の栽培、化学肥料と農薬の投入というこれまでの工業的農業では土壌から炭素を収奪して、地球温暖化を加速するだけでなく、土地が痩せていく。不耕起の土地に家畜(牛や鶏など)を放し、草で土を覆うことで光合成で作物を通して土壌に炭素を供給し、微生物が生息することで作物に栄養を与えるという再生的な関係ができるという。私は不耕起栽培では栄養が足りず、作物は余り取れないと考えていたが、生物の生態系を崩さないということで不耕起にし、枯草や動物の糞尿などを投入することで生物が活発に土壌を豊かにすることで作物が育つらしい。無農薬で鶏糞等の有機肥料は投入してきたが、不耕起ではない。耕起して、土を細かく砕いて、上下を反転させ、空気の入ったサクサクの土を作り、それをマルチで覆うことで雨除け、雑草を防ぐことで作物の生育を保護している。どちらが地球にやさしいのかあるいは再生的なのか、大きな課題であると感じた。研究してみたいと思う。意外と農業はこれから、人類にとって重要な革新を必要とする分野ではないかと感じた。

2022年7月28日
から Mat Grimm
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ため池水路の将来像

  農業者の減少、高齢化で農地に伴う「ため池、農道、水路」などの管理ができなくなっている。農地など所有者がはっきりしている場合には管理者も明確であるが、ため池とその水路や農道など水利に伴う不動産は個人所有ではなく、多くの場合、地域の共有財産として、地域の農業者が利用し、保全してきた。水利は稲作農業を行うためには必須であり、これまで地域の利用者が管理組織を作り、共同で水利保全などを運営管理してきた。しかし、稲作農業者の減少・高齢化とともに、これらの維持管理が困難になっている。
 具体的に維持管理とは何を指すかというと農道やため池堤防はほとんどの場合、まだ舗装されていない。土のままであり、草が生えて、さらに放置すると樹木が生えてきて、やがて、鬱蒼と茂る。そうなると人も近づけなくなる。また、水路には土砂が流れてきて堆積するので、定期的に浚渫することが必要である。また、水路や農道・堤防などは水漏れや路肩の崩れなど自然による劣化・変形で補修が必要となる。これらの草刈りや補修などを利用者である農業者、地域住民などが維持保全を行っている。特にため池に伴う水利は地域の稲作の歴史を通じて公平な配水を行う運営組織として現代まで続いている。これが維持できない所まで来ている。
 国は農地維持のための交付金を制度化して、ため池などの保全を行う組織に草刈りなど定常的な維持管理活動に対して交付金を付与している。この交付金により、草刈り等の維持管理活動に対していくらかの報酬を出すことができるようになった。堤防草刈り等を実施するとき、参加者が多くなり、容易に実施できるようになった。しかし、市が主催する交付金を利用する組織を集めた会議があったとき、地域のいくつかのため池管理組織で深刻な状態にあることを知った。イノシシだけでなく、サルなどがでると防ぎようがなく、農業をあきらめることが起きている。また、維持管理する人が高齢になり、とても法面の草刈り等が困難になっているそうである。ラジコンの草刈り機があっても高価であり、とても交付金だけでは足りない。このような状況で誰がどのようにすれば維持していくことができるだろうか。国土の維持管理という理由から税金を使って大幅に交付金を増やしてラジコンの草刈り機や草刈りロボットでやるのだろうか。また、一律にすべてのため池水利網を維持しようとするのは限界がある。地域でどのようにため池や農道、水路、農地を含めた水利不動産をどうしていくのかのデザインが重要である。
 実は私はサラリーマンとして長年都会で働いてきて、退職後にUターンし、相続した不動産を管理することとなり、農業を始めた。わずかの土地でも野菜を作り、地域の市場に出すことで、こづかい程度でも現金収入を得られることは社会参加もでき、楽しみである。また、そうしたシニアが数多くいることも知った。シニアと農業は非常に相性が良い。身体を屋外で適度に動かすことで健康に良い。また、野菜や花きなど植物は世話をするほど、その生育として応えてくれるし、おいしい、奇麗という喜びにもなる。また、市場に出すと評価を受け、より高い品質を目指して工夫も無限の余地がある。しかも、天候など自然の影響も大きく、人間も地球環境の一部であることを実感し、自然環境の大切さを理解することになる。
 私の場合、親が地域住民として、ため池などの農業不動産を利用する一員であり、農地を相続することでその農業不動産を利用する一員に加わり、維持する側になったが、もし、農地を相続をしなかったら、この地域に住んでいても、たとえ農業に興味があっても知らずに済ましただろうと思う。特にシニアとなり、新に地域に住むことになった場合、農業水利網を利用する組織に入ろうと考える人はほとんどいないだろう。稲作でもしない限り、家庭菜園では上水道の水か天水で十分であろう。新たに水利組合に入り、維持活動に参加することはほとんどないであろう。確かに稲作農業者は減少している。水田をもっていてもイネを作る人はほんのわずかになってきている。私が子供の頃、50年前は地域のほとんどの農業者はさかんに稲作を行い、専業農家も多かったが、今では農地を持っていても、会社勤めをしており、お米を作らず、遊ばせている人が多い。また、地域には他県から新たに転入する人も増え、住宅地が開発され、そこでは新な自治会が組織されている。だから、古くから住んでいる農地保有者を中心とした自治会と新たに住み始めた非農業者の自治会が混在した状態である。そして、ため池の水利組合などは古くからの先住者が中心となっており、ますます減少している。一方では給与生活者を中心とした新興住宅地は増えており、ガーデニングや野菜の自家栽培をやりたいという給与生活者は増えていると考えられる。
  ため池を中心とする水利網の利用と保全に対して、従来の水稲栽培者だけでなく、蛍や魚類、水生昆虫なども住めるような水利網として、水路の用途を広げて、地域の住民全てが参加できるような場所にしてはどうかと思う。したがって、組織の目標も変わってくる。稲作農業のための水利管理というよりも、地域の自然保護管理も含めた地域住民のため池水路網自然公園というようなものにしてはどうだろうか。
  実は今の水路はコンクリート製でストレートな形状であり、溜りがないことから、貝や魚類、水生昆虫などの生物にとっては住めない環境である。なんといっても、昔は水路は蛍が舞う小川であったところが今は放流時には水がどっと流れてすべてが流され、放流のないときにはほぼ干上がってしまうというような単純な環境となっており、残念ながら、蛍が生息できない。これは本当に残念である。
  難しい点はあるが、ため池水利網を高度化して、魚類や水生生物が豊富な環境となるようにして、稲作農業者だけでなく、野菜や花の自家栽培愛好家、自然を観察する生活者が身近な池とその小川として参加できるような場にできないだろうか。
 

2022年7月19日
から Mat Grimm
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今年の西瓜は上出来!?

 スイカの収穫時期の目安はいろいろあるが、開花時期から45~48日くらい(黒玉スイカ・タヒチ)という基準を参考にすると5月末から6月初めにはもう開花していたので、7月10日に試しに6.4㎏の黒玉スイカを取り、切り開いてみると断面全体が縁まで赤く熟しており、食べ頃に達していた。交配時期から累積温度で1000~1100度という基準もある。仮に6月1日に交配したとすると1000度に達するのは7月9日であり、ほぼ熟していることになり、実際の状況に一致する。
 当初、主枝を摘心し、4本仕立てにして、1株当たり4-5個を結果させることを計画した。実際には主枝がかなり伸びてから摘心し、2~4本仕立てにした。その後は1,2回だけ、交配をして孫枝を除去したが、4-5個にコントロールするほど頻度はとれず、結実の数は放任となってしまった。3m幅の20m長の畝に「黒玉スイカ」、「ボンゴ」、「大玉すいか」の3品種を合計19株を植え、約40個の結実を確認した。株当たり2個程度となっている。種袋には黒玉スイカは株当たり2個程度に実をつけるとあるから、かならずしも4-5個にこだわる必要はなさそうである。放任すると遅れて3-4個実がついており、大玉にするためにはやはり、2個程度に限定したほうが良いのだろう。ボンゴは中玉で5-6㎏の楕円の西瓜でフットボールの形状をしている。黒玉スイカとボンゴは黒皮で皮が固くて、カラスがつついても割れないくらいだそうだ。
 同じ畝だが、通常の大玉スイカは水路から遠い位置にあり、そのためか晴れが続いて、樹勢が弱まり結実したものの増大する玉は少なく、さらに雨が降って高温にさらされると一気に樹が枯れてしまう。黒玉とボンゴは樹勢の衰えは比較すると弱い。通常の大玉スイカの種袋を見ると着果後、30日~40日で収穫とあり、株の成長が遅い割には早く実るという感覚と一致する。黒玉スイカは最大のものは9.2kgあり、ボンゴは7.4kg前後である。枝葉が元気の株はどんどん成長増大する。今年の西瓜は昨年に比べると出来は良いようだ。降水量が少なく、晴れが続いている。

2022年7月16日
から Mat Grimm
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とうもろこしの収穫

 5月5日の定植以来、とうもろこしは順調に生育している。そして、6月頃には雄花が開き、少し遅れて、雌花が咲いて受粉となる。受粉後はできるだけ、早く雄花を切り飛ばす。とうもろこしは甘いので虫が付きやすい。メイガの卵が雄花に産み付けられて、幼虫が茎の中を移動し、とうもろこしの実を食害する。そこで雄花を受粉後には除去する。雌花は受粉すると房のような繊維が茶色に変色する。このタイミングで雄花を除去する。しかし、同じように定植しても、雌花が咲く時期は幅がある。だから、雌花の進行状況を見ながら、雄花の数を調整する。
 種袋によれば、種まきから85~90日で収穫期に達する。種まきが4月9日だから、7月2日~7日が収穫期の開始となる。実際に7月4日にすでにカラスの食害が見られたので、防鳥糸を張り、大きそうなトウモロコシをもぎ取り、皮をはいで、かじってみると甘くておいしい。手でとうもろこしの全体を握り、大きさが小さくて柔らかいものは取って、剥いでみるとまだ実がまばらにしか入っていない未熟なものが多い。無農薬ではあるが、外観からわかる程度に一部茶色に変色しているものは虫が入っていることが濃厚である。全く、外観は良好であるが、緑の外皮を何枚か剥いてみると、下の層で茶色に変色しているものもある。早速、何本か収穫して、蒸かしたり、焼いたりして食べてみたが、甘くておいしい。特に焼きトウモロコシは甘味が濃いようだ。
 外観からでは実がぎっしり詰まっているかどうか、虫が入っているかどうかなどは分からない。そこで産直に出すかどうか迷ったが、クレームがあると嫌なので、出さなかった。しかし、産直ではトウモロコシの一部の皮を除去して中身の品質が判るようにしていた。手間がかかるが良いアイデアである。しかし、すでにかなり出回っているのか、値段はかなり下がっていた。まだ半分以上残っているので、出荷のパッキングを工夫し、なんとか捨てることのないようにしたい。最近、まだ食害がつづくことから、カラスではなく、たぬきやハクビシンのような動物の食害を疑っている。茎の折れ方がカラスよりももっと体重のあるものが折った形跡が残っている。いずれにしても、いのしし対策なみの対策が必要となるだろう。
 その後、キジがとうもろこし畑から逃げるのを何度か見掛けた。食害の犯人はどうもキジではないかと思う。キジの身長で届く範囲で食害がひどい。防鳥糸は効果がない。網のようなもので囲うことを来年は考えたい。

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