グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

イネ作りの労働時間

2023年10月18日 から Mat Grimm | 0件のコメント

10月の稲刈りでほぼイネ作りは終了する。乾燥・籾摺りは業者に依頼しているので、数日後に玄米を引き取りにいくだけである。来年の2月までイネつくりは休止期間となる。今年のイネ作りのためにどれだけ、労働したのか集計してみる。基本的には私一人で稲つくりをしているが、田植え、稲刈りだけは手伝いが居て2人でやっている。一人でもできるが、2人いれば効率が良く、早く終わる。作業日誌を見て、イネつくりの作業を次の7種類に分類した。1.圃場の整備、2.育苗、3.田植え、4.水管理、5.草管理、6.稲刈り、7.機械整備である。圃場の整備としては施肥、トラクタ耕耘、畔の拡幅工事、均平化、排水口・入水口の整備、水漏れ対策などを含み、田んぼをイネつくりのために整備する作業である。育苗には苗箱の洗浄から土入れ、種蒔きだけでなく、種の塩水選、温湯消毒、浸種を含み、苗床の準備、苗代でのプール育苗まで苗を作るための作業である。田植えには田んぼの代掻き、田植え、補植まで含む。水管理は田植え後の入水や水位をある範囲内に保つことである。香川県は降水量が少なく、ため池に貯水した水を大事に使う。具体的には週に2回の割合で隔日毎にため池の水門を開き、田んぼに入水する。上流に近い田んぼは早く入水できるが、下流になるほど、水の流れてくる時間は遅くなる。私の場合、比較的近いので水路の水量は豊富で約1時間で必要な量の水を田に入れることができる。田んぼに必要な水位を保つための管理である。機械整備はトラクタの爪交換、洗浄があるが、田植え機、コンバインなどは一年に1,2度の使用なので、使う前や収納するときに点検、試運転、注油、修繕などが必要となる。使用後の清掃も毎回必要である。これらの整備作業である。今年のイネ作りに投入した時間の総合は241時間であった。1日8時間の労働時間とすると約30日分に相当する。月20日くらいの労働が一般的なので、一か月半くらいの労働量ということになる。7種類に分類した作業時間の内訳をみると、圃場の整備がもっとも多く、61時間、次に水管理52.5時間、育苗43.5時間、草管理36時間と続く。水管理は6月17日のユル抜きというため池の放流開始から9月20日頃まで3ケ月間、水位を保つために隔日毎に入水する作業であり、24回の水入れでそれぞれ1.5時間を要するとそれだけで36時間となる。加えて苗代の水管理が加わる。とにかく、イネつくりで香川県の場合には水管理が大変なのである。開水路ではなく、パイプで給水し、いつでも栓をひねれば水を入れることができればもっと管理は簡単になる。草管理はまさしく、畔や農道、枕地の草刈である。1回2時間の草刈りを18回行っている。稲つくりを4か月とすると月当り4回以上となる。自走式草刈り機で大まかに草刈りできるが、細かいところは刈払い機で行う。だから、月2回ほど草刈りが必要ということだろう。畦畔がコンクリートであれば、この量は大幅に削減できる。実感として、イネつくりはそれほど大変という意識はない。田植え後の除草コロガシや草(ヒエ)抜きは暑い屋外での作業であり、キツイ作業であるが、田植えや稲刈りは機械化で1日で終わるので、それほどではない。何歳までできるかは見通せないが、機械化や作業を合理化することであと10年くらいはつづけたいと思う。

米作り労働時間累積

米作り労働時間分類別

 

 

令和5年のイネ作り:稲刈り

2023年10月11日 から Mat Grimm | 0件のコメント

昨年はうるち米品種として「ヒノヒカリ」と「ニコマル」、モチ米として「みやたまもち」を作ったが、それぞれ5アール、7アール、4アールという面積である。品種毎の量は少なくなり、乾燥工程で特に効率が悪く、乾燥・籾摺りを依頼している業者から苦情が出たので、今年はうるち米は「ニコマル」の単一品種とした。モチ米は1アールくらいとして、乾燥を外注しないで天日乾燥する予定である。小麦を天日乾燥しており、少量であれば、なんとかなる。昔は「むしろ」という藁でできた、通気性があって丈夫な敷物があり、その上に拡げて干したが今はそれを入手できない。浅底の木の箱で代用している。
イネ作りの田んぼは3枚で、2月に緑肥作物として「キカラシ」を種まきしているが、今年は例年と違って、2枚の生育が悪く、1枚のみが良かった。「キカラシ」は菜の花の一種であり、肥料としてだけでなく、田植え後にその腐熟したものが稗などの発芽を抑えるという雑草抑制効果が知られている。そのキカラシの生育が不良だったので田植え後の稗が懸念されたが、その割には手に負えないほどではなかった。コロガシも一度だけでしかも条間のみ実施しただけである。恐らく、抑草には田植え後の深水が一番重要ではないかと思う。水漏れがあると水位が下がり、標高の高い箇所で土が水面から露出すると草が発芽してくる。コロガシで発芽した雑草を土と水で攪拌するので、浮き上がってほとんどが枯れてしまう。私の場合にはコロガシはカゴ車を刈払い機に取り付けてエンジン駆動でかご車が回転するので人力で押す必要はない。しかし、一条毎に歩く必要があり、とても時間がかかる。なんとか、田植え機を改造してコロガシを乗用化できないかと考えている。今年の田植えは苗が25日苗で発芽後、緑化の段階でプール育苗としたので、苗丈が大きくなり、25㎝以上あった。そこで苗を短くカットして、田植え機の捌きを良くしたものの、1-2株植えを狙ったが、むしろほとんどが4-5株植えになってしまった。爪で掻きとるのだが、大苗なので1-2株を掻きとるよりも4-5株の方が安定的である。本来は大苗で尺角植え(坪36株)の粗埴にしたいのであるが、田植え機にそこまでの調整範囲がなく、坪50株で我慢している。手植えはさすがに体力的に自信がない。機械植えに頼らざるを得ないが、ポット植えができ、大苗や粗埴に対応している田植え機は数が少ないのか中古で出回っていない。
今年は例年以上に気温が高く、田んぼの水に藻が発生して濁っており、コメに悪影響しているかもしれない。次の図は気象庁の今年の高松(7-8月)の気温と日照時間のデータで例年をかなり上回っている。通常、7月20日頃から8月4日まで「中干し」という田んぼの水を制限して田を乾かすが、これまで私は一切、行っていない。通常通りに水をたっぷりと入れて田を乾かせるということはしなかった。中干しは分決を停め、成長エネルギーを実の充実に導くためという。そのためか、私の作るイネの丈は伸びて周囲のイネに比べて明らかに高い丈となっている。中干をしないとモミの粒は小さくなるという。確かに、私のコメは粒が小さいので、品種の特性と考えていたが、中干をしないためかもしれない。来年の課題にしたい。田への最後の入水は9月20日で落水は9月26日にして、以後は田を乾かしている。かなり乾燥してきたが、10月8,9日と雨が降り、ぬかるんでコンバインが沈みそうなので、10月10日の稲刈りを10月11日に遅らせた。11日は朝から田んぼの「すま」刈りをして、コンバインの回航ルートのスペースを確保する。3枚の内、最も低い田んぼの山側の畔際はぬかるんでおり、長靴沈み込み許容値6cmを超える可能性がある。最後に残しておき、慎重に低速で稲刈りを行なった。刈り取った籾は例年より、多そうで数量的に期待できる。玄米になるのは2,3日後である。田植え後、数日して見回ると苗が浮いて欠株となっていたり、枯れてしまったりした箇所に補植をしたが、このような補植の苗は稲刈りの時期にはどうなっていたのだろう。丁度、6月17日の田植えから22日後に補植した一角があったので、その後の生育状況を追った。稲刈り前までにはほぼ追いついている。田の端に位置して、日照に恵まれた環境であることも助けていると思う。まだまだイネつくりには不思議が多い。

 

獅子舞に参加する

2023年10月6日 から Mat Grimm | 0件のコメント

2019年の5月にUターンして10月に地元の鰹宇神社の祭りに参加したのだが、その時は”外山・円土座獅子連”の一員ではあってもただ一緒に行動するだけであった。しかし、新型コロナウイルスの感染禍の為に3年間、祭りは規模縮小、獅子舞は中止となり、祭りに本格参加する学習の機会は失われた。新型コロナも変遷を遂げ、一般の風邪並みの扱いとなるに及んで、2023年に4年ぶりに通常の規模で鰹宇神社の例大祭が行われることになった。
4年ぶりということもあり、さぞや皆は張り切って参加するだろうと予想していたが、獅子舞準備の最初の集会で常連の使い手が5名ほど喪中のために参加できず、定年退職して戻ってきた経験の浅い育成組のシニア3人が獅子舞の音曲を担当せざるを得ない状況であることを知らされた。そして9月2日から週2回の獅子の練習が始まった。祭りは9月24日に「口明け」、9月30日に「宵祭り」、10月1日「本祭り」という慌ただしいスケジュールである。私はほとんど鉦も太鼓も観客の興味半分でしか叩いたことがなかったが、3週間弱で本番となる。それでも自分に番は回ってこないだろうと思っていた。
獅子舞は鉦2と太鼓2の音曲と2人が油単の中に入って獅子となって踊る6人構成となっている。獅子の使い手は体力を要するため、若い人が交代しながら、約10分の舞を曲に合わせて踊る。通常は獅子使い手だけでも6~10人くらいが交替で使う。鉦と太鼓は1曲持ち切りでもそれぞれ2人、最低でも4人が必要である。普通は場所を変えながら何曲も演舞するので、交替要員2人を加えて最低でも6人は欲しい。全体で12人位の人数となるが、後ほどの獅子舞のスケジュール調整では9人という時間もあり、全く苦しい状況であった。過去には若手が郷里を離れ、少子化もあり、何度も少人数で挙行せざるを得ないこともあったそうである。
現在、十河地域(約3700世帯、53自治会)の本神社である鰹宇神社で獅子舞を奉納する権利をもっているグループは8つの獅子連である。しかし、諸事情により、年々減りつつある。外山・円土座獅子連は26世帯の外山自治会と数名の旧円土座自治会から成るグループである。私が子供の頃には獅子の鉦や太鼓の音が遠くから聞こえてきて、祭りが近いことを知り、鰹宇神社の秋祭りに連れだって露店で買い食いしたり、おもちゃで遊んだりした楽しい記憶があるが、獅子舞は見たかもしれないがその機会はすくなかったように思う。
獅子舞は獅子連によってその曲も踊りも異なる。我が獅子連では「牡丹くずし」という分類に入るらしいが、次のような踊りを行う。獅子という動物が呼び出しで登場し、首や耳、口を動かせて身体の手入れをしたり、動物の所作を披露する。そして、やがて身体を左右に揺らしながら、正面に向かって前進していく、前面に到達すると頭を下げ、尻を高くして激しく首を上下左右、前後に振って威嚇するような動作をする。その時、鉦と太鼓が動きに合っているといわゆる「見え」がきまる。これが舞の最高潮部であり、「猩々の舞」というらしい。10分間の間に獅子は前面で踊ったり、後ろに下がって眠ったり、ループを描いて回ったりして数回、前面に出て威嚇動作をする。この一連の動きはいくつかのパターンを組み合わせてテンポを変えたりするのでこれを覚えるのは容易ではない。踊りの順番は変わらず同じなのであるが、それぞれの舞から次の動作に移るのは太鼓の合図である。鉦は太鼓や獅子を見ながら、次のタイミングを測る。太鼓は獅子を見ながら次の踊りの合図を出す。獅子は鉦の音に合わせて獅子の頭を振ったり、油単を動かす。太鼓をたたく人が全体の指揮を執る。早く終えるときは舞を進めるように合図を早く出すことで短くできるし、丁寧に時間を掛けたいときはゆっくりとしたテンポで行う。8分~16分くらいに自在に調節できる。
私はまだまだ、未熟で曲が身体に沁みついていない。時々間違えるし、今がどのシーンかを見失って迷ったりする。その時は鉦が止まるので、獅子舞の勢いを削いでしまう。
ボケ防止にと思い、必死で覚えるが次の日には忘れている。この繰り返しである。しかし、獅子連の活動を通して思うことは地元の祭りの持つ不思議な活性化作用である。そして、獅子舞を通じて自治会の人たちや地域の人とのつながりができてくる。江戸や明治の時代から続いているという獅子舞にはその理由がある。耳がおかしくなるほどの音であるが、心地よい響きがあり、気持ちが明るく高ぶってくる。また、来年もやりたいと思う。

2023年8月20日
から Mat Grimm
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夏の海と山の楽しみ

夏の楽しみの一つは海水浴であるが、2,3年前から瀬戸内海に面した庵治半島にある小さな海水浴場に行っている。いつ行ってもビーチは混んでいない。半島には海沿いの細い道があってぐるっと周回できるようになっているが先端にももうひとつ海水浴場があるが、そこまでの途中にある、半島の真ん中あたりに高尻海水浴場がある。
瀬戸内海に面した小さな入江で砂浜も磯も突堤もあり、ゆっくりと海遊びができる。我が家から、車で30分位の距離で思い立ったら気軽に行けるのもよい。今年はお盆に近い12日に出かけ、少し海に浸かると、酷暑でゆるんだ身体の熱が取れるようで満足する。
砂浜にはいろんなものが漂着していて、歩きながら目を皿のようにして探す。貝がらや角の取れた色ガラスなども見つけると嬉しいが今年はなぜか、壁を塗るときに使う取っ手の付いた四角い板を見つけた。土を載せる面がプラスチックでできていてまだ使えるものである。使わないだろうと思いながら、もって帰ってしまう。
千葉の佐倉市に住んでいた頃は、海水浴というと外房の九十九里、御宿や内房の保田などへ行ったが遠いのでそれなりに準備が必要だった。
海だけでなく、山の涼しさも探検したくて探していたところ、近くに「虹の滝」というちいさな滝をネットで家族が見つけ、行ってみた。やはり、車で30分くらいの距離で県道であるが普通車だとすれ違いのできない道幅しかない道をくねくねと登り降りしながら行くと、道路に滝の場所を示す看板があり、そこで車を停め、道路から下の沢に降りていく。道路の谷側も木々が生い茂り、よく見ると川が流れているのが透けて見えるが、降りてみるとこんなに近くに滝があるなんて気づかなかった。
滝の高さは10-15mくらいではないだろうか。それでもかなりの水量が岩に沿って流れており、滝壷もちいさいながら、泳ぐこともできるくらいの広さである。しかし、さすがに山の水は冷たく、泳いでいる人はいない。ウエットスーツを着てボート遊びをしている。
驚いたのはその川のせせらぎの豊かさである。浅瀬と岩と砂のせせらぎには実にたくさんの生き物を見つけた。小石を除くと、沢蟹がいたり、ちいさな川魚もたくさんいる。あめんぼ、トンボ、蛙などいたるところに見つかる。そして、石菖という植物も岩にくっついて生えている。
子供の頃の近くの川ではこのようなところがあったが最近の農業用水路はコンクリート化、家庭用排水の富栄養化などでほとんど生物はいなくなっている。人新生という新たな地質世代に1950年代から入っているらしい。人の活動で急速に生物環境のバランスが崩れているらしいが、虫、植物がいなくなっても人間が生きていけるとは思えない。昆虫写真家であり、かつ里山の維持を提唱している今森光彦氏が「環境農家」を自称しているが、私も賛同する。「虹の滝」からもどり、捕まえた沢蟹と川魚を水槽に入れて、故郷のこの地域を生物多様な昔の里山に復活させたいと思うこの頃である。

 

 

令和5年のスイカ

2023年8月17日 から Mat Grimm | 0件のコメント

 今年もお盆を過ぎ、もっとも暑い時期を超えたように思う。燃えるような暑さの中で身体を動かして喉が渇いたときに冷えたスイカは本当においしい。糖度は高い方が良いが、水代わりに喉を潤すスイカは甘くなくても気にならない。この記憶があるので毎年、スイカを必要以上に作っている。冷蔵庫は2つあるが、夏の間はいつもスイカが冷えている。子供たちにも宅配で送っている。
 今年は欲張って9種類のスイカの種を蒔いて、40株以上を定植した。しかし、温床の温度管理が不適切で品種によっては3月の種まきで発芽温度に達せず、発芽しなかったので、後日、そのポットを利用してそのままトウモロコシなど違う野菜の種蒔きに使ったところ、トウモロコシだけでなく、スイカらしき新芽が出てきた。土を再利用したつもりなので、どの品種のスイカの種につかったかはもはやわからなくなってしまった。だから、外観だけで区別できる品種しか同定できていない。これまでに確認しているものは5品種である。
 今年の経験から、スイカを発芽させるには夜間の最低地温が10℃程度では不十分で20℃を確保しなければいけないということだ。3月の種まきの時期では外気温は夜間にほぼ零度付近まで下がってしまい、電気カーペットを使ってもポットの地温を10℃までしか確保できなかったのである。5月になるとさすがに夜間温度も上がり、発芽環境が整ったということであろう。トウモロコシといっしょにスイカも発芽してきた。
 トウモロコシの定植の際に株を分け、定植は1-2か月遅れで行った株もある。そのため、収穫も遅れ、昨年は7月初めから獲れていたものが7月後半になり、遅いものではこれからという株もある。私は基本的に放任栽培なので、摘心や人工交配などは行わず、定植したらそのまま放任している。だから、1株で1個とれれば良しとしている。放任栽培でも2個取れる株もあるので、栽培畝はぜいたくに使っている。3m幅で大玉は株間を1.5-2mとしている。今年、最大の玉は9.4kgであったが、5-6kgのものが多く、全体に小さい。10kg以上を目指しているが、株の整枝剪定を行わないとエネルギーが分散してしまうのであろう。
 今年の目玉は何と言っても「金色羅王」という品種である。黄色のスイカで糖度が高いという特徴の人気のスイカである。遅れて発芽したため、成長時間が短くて小さいのか、天候が7月、8月前半は極度に暑く、樹が枯れてしまい強制終了となってしまったためか3.2㎏程度しかなかった。しかし、切ってみると見事な黄色からオレンジ色で食べてみるととても美味しい。他の品種にない味であった。スイカも品種が大切なのだと実感した。今年、金色羅王はまだ1個しか確認していない。まだ、収穫はつづくが、来年もまた、がんばろうと思う。

2023年7月23日
から Mat Grimm
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オクラの栽培

 オクラの栽培を始めて恐らく、3年目か4年目であるが、作り始めて、やっと奥さんの希望に叶う品質のオクラが取れるようになった。オクラは「実」がおおきくなると同時に硬くなり、煮ても柔らかくならない。オクラは柔らかくないと失格である。オクラを栽培して出荷しているプロ農家の人に聞くと、オクラは1か所に3,4本を植え、互いに競争させることでそれぞれの樹が享受できる光や土の栄養が減り、弱くて細い樹になり、その結果として柔らかいオクラがとれるそうである。
 昨年からマルチの植え穴に点播きで一か所に4,5粒の種を蒔いていたが、発芽後もそのまま放置していたため、気づいた時には巨大なオクラの実がなっていて何故か、丁度良いサイズの柔らかい実がほとんど取れなかった。そこから獲れたオクラは大きいものは茹でても、てんぷらにしても繊維が残り、おいしく食べられなかった。単に2-3株を競争させても柔らかいオクラは獲れなかったので、今年は品種を変え、大きくなっても柔らかいという謳い文句の品種を選んだ。2条株間50㎝で12穴に5月15日に種を蒔いて、発芽後に3,4株に間引いて、順調に成長して花をつけ、いよいよ7月9日に初収穫を行った。
 最初が肝心で放置せずに最初の実を巨大化させずに、まだ小さい内に収穫した。その後は、二日毎に収穫しており、大きくなり過ぎたものは獲って廃棄している。つまり、3日以上は実を放置せずに、オクラの実を収穫することで樹勢を保っている。そして、それぞれの樹は分岐芽が出ると除去し、一本立ちにすることでオクラの実に栄養が集中するようにした。茶色になって枯れそうな葉も除去している。こうすることで樹が安定して下から上へと順に花が咲き、実をつけるように思う。

2023年7月21日
から Mat Grimm
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7月のイネの世話

 三日あるいは四日毎に田に水を入れるので、イネの状況が判る。その度に少しずつイネが成長していることを感じる。3枚の田があり、田植え後は補植を一枚ずつ、やってきたが、2枚目が終わってみるともうイネは補植の時期を過ぎていると感じる。田植えから一か月も過ぎると苗も老化して、苗というよりも成木を植えるようなイネの外観である。補植してももう追いつかないだろうと思う。
 そこで、主な関心は田の草取りである。今年はこれまでいわゆる「ころがし」をやっていない。つまり、田の土を攪拌して、芽を出した雑草を浮せて除草する田車のコロガシ作業をやっていない。昨年は新しく水田にした田で「菜の花」による抑草も使えず、田植え直後からの深水による抑草にも漏水で失敗し、コロガシによる除草では間に合わないほどの雑草が生えて、7、8月は除草との闘いであった。
今年はその圃場で菜の花の一種である「きからし」を緑肥として種まきし、それなりに生育し、緑肥として漉きこんだ。そして、田植え後の深水を不十分とはいえ、3日後からはほぼ達成できたように思う。それでも田植え後、高い部分では土が水から露出した時間が1-2日程度はあったように思う。だから、その部分は「ひえ」が密集して生えており、水入れの際に満水になる1時間程度の間、ひえを手で抜きながら待った。
 他の2つの圃場は深水管理は比較的できていたが、それでも土が露出する時間が少しはあったと思うが、今年は「きからし」を2度、種まきしたにもかかわらず、不出来でほとんど生育しなかった。雨が多かったためか、種まき後の鎮圧を行わなかったためか緑肥とは言えないレベルの生育であった。田植え後は補植しながら、目についた「ひえ」を抜いてきたが、例年に比べるとやや多いなという感触であった。しかし、7月10日過ぎに田の高い部分を歩いて除草しているとそこには「ひえ」とは違う雑草が、水面下の土に面的に発芽・生育していることに気づいた。これは手で抜くような数でも大きさでもなく、「コロガシ」で土を動かして除草するしかないことを認識した。今日は7月20日で遅いかもしれないが、早速、No.4の圃場の高い部分のある南側からコロガシをやることにした。コロガシは手動ではなく、刈払い機に取り付けておこなうトリマーという製品で水田の表土を回転するかご車で攪拌し、歩いて前進しながら、除草するものである。エンジン駆動なのでどちらかというと引っ張られながら、歩くという感覚なので大きな負担はないが、一条毎の除草なので、とにかく水田を一条毎に歩いて往復する。陽射しの強い時間帯を避けて、午後遅くに行うが持久力のいる仕事である。過去の日誌を見ると、21年は6月29日、30日にコロガシをやっているが、22年は3枚目の除草に時間を取られ、コロガシは3枚目以外はほとんどやっていない。7月の後半ともなるとイネはもう分決が盛んで扇を開いたように大きく成長しており、条間といえども回転物を転がすとイネの葉を巻き込んだりしてイネを傷つけないではすまない。7月初めまでにコロガシを終えるべきであろう。

2023年7月12日
から Mat Grimm
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長ネギの定植

 ネギには一本ネギと分決ネギがあって、私の理解では一本ネギは長ネギとか白ネギといって、根に近い白い部分を鍋や麺などの料理で主に煮て食する。分決ネギは葉ネギと言って、細かく切って主に薬味として使う。もちろん、白ネギを細かく切って、薬味に使うこともあるのでおおきな違いはない。
 私の生まれた地方では子供の頃、長ネギは余り食べていなかったように思う。少なくとも母の料理は薬味としての葉ネギが中心だったが長じて関東で生活するようになり、納豆や長ネギなど食材の幅が広がった。しかし、今ではここ讃岐地方でもスーパーで普通に入手できるようになっており、食べる人も増えていると考えられる。
 そこで2年前から、一本ネギを作り始めたが、白い部分を長くするには成長に応じて何度も土寄せをして、光を遮断すると白くなる。しかし、白い部分を25㎝以上にするには土寄せのための土が不足するので、もみ殻を代わりに使う。
 もみ殻は軽くて風に飛ばされてしまう。そこで長ネギの畝を水田の畔波板を使って長ネギの畝を囲い、そこにもみ殻を投入する。もみ殻は最寄りのJAのカントリーに行って、分けてもらうのだが、時期によって無い時がある。昨年はもみ殻投入が遅く、結果的に白い部分の長さは15cm程度と短くなった。
 近くのプロ農家のYさんは長ネギを畝の上ではなく、畝の中央に溝を掘り、溝底に定植している。低い位置にネギがあり、土寄せの高さを十分確保した植え方をしている。そして、長ネギを一条に植え、土寄せは専用の管理機で行う。
 今年はこれを真似て、畝に2条の深い溝を掘り、溝底に長ネギを植えることにした。そして、田植え紐を使って、株間10㎝で長ネギの苗を定植した。長ネギの種まき時期は秋と春播きがあり、品種として秋播きに早生一本太ネギ3.5ml、春播きに石倉一本ネギ7mlおよび金長葱8mlを蒔いた。当然、秋播きの方が成長が早く、収穫も早めとなる。玉ねぎでは種6mlで苗500本取れるので、うまく行くと1500本取れることになる。20mの畝で株間10cm、二条植えだと400本定植できるので、3畝分(60m)はとれそうである。
 昨年は30mくらい作ったが、白い部分が短くて、いわゆる規格外なので、本数で長さをカバーするように本数を多くして売ったところ、畝の長ネギ全部を売り切ってしまった。長ネギは何にでも料理に使えるので、時期を問わず、底堅い需要のあることが分かった。だから、今年は増やしている。それほど、甘くないと思うが「にわか」農家としては期待している。

2023年7月3日
から Mat Grimm
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らっきょうの収穫

らっきょうの酢漬けが懐かしいので、らっきょうを毎年、作っている。ニンニクと同様に種球を植えるだけで余り手がかからない。注意すべき点は玉ねぎやにんにくと同じで草に負けてしまうのでタイミング良く除草をしないと大きくならない。草に囲まれて競争状態になると除草する。2-3回は行っている。10m長の畝に30㎝の株間で3条植えとした。つまり、102球を植えたことになる。1球から分決して10球前後に増え、大きくなる。昨年10月8日に植えて(一昨年は9月1日に)、7月2日に収穫した。今年はコンテナ3つ分の収穫(約6kg +)で大きさもおおきいものが多く取れた。作り始めて3年目だと思うがやっと満足のいくらっきょうが取れた。らっきょうもニンニクと同様に取ったら、大き目のものを種球として残し、乾燥させて保存するが、太陽光で変色し、赤紫色に色づくので種以外はすぐ漬物にする。らっきょうも生命力が強く、小さくて捨ててあったものが根付いて翌年にはそれなりに成長して分決して増えているくらいである。種球も一度、購入したきりで足りている。ワケギとかラッキョウなどはそれほどたくさんの量は必要ないがどうしてもたくさんできてしまう。だから、親類や親しい人におすそ分けするのだが、こういう昔の素朴な味は同じような子供時代を過ごしたシニアでないとなかなかその美味しさは理解できない。喜んでくれるか気にしながら配る。

2023年6月29日
から Mat Grimm
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無肥料畝のカボチャ収穫

 枯枝やもみ殻などに土を被せてマルチで保温した無肥料畝にカボチャやメロン、スイカを定植したり、種を蒔いて無肥料栽培を試みている。バラつきは大きいが、成長の良い株は実をつけて収穫できるまでになっている。カボチャは生命力が強いので無肥料畝でなくても成長して実をつけるかもしれないが、通常の肥料栽培と比べても見劣りのしない大きなカボチャができている。
 肥料を与える通常栽培では病気になりやすいという欠点があり、特にうどんこ病が発病すると一気に広がり、どの畝も感染して樹勢が衰えて、そこで寿命となる。無肥料畝ではそれがどうなるかが注目点である。どの畝も基本は放任栽培で枝の混んだところを剪定して、風通しをよくしたり、芯止めして4本立てに整枝するなどはやっていない。今のところ、うどん粉病は発生していないが、それでも混みあう主枝の根本付近は葉が枯れて幹しか残っていないが幹は太く生命感がある。しかし、無肥料畝の評価は難しい。今後の樹勢がどうなっていくかを長期に見ないと判断できない。
 5つの無肥料畝のNo.1は芳香南瓜を種まきしており、No.5の無肥料畝はポットで育苗した「えびす」の苗を定植した。No.2はスイカ、No.3はメロン、No.4は秋カボチャを植えている。No.5の畝では通常栽培と遜色ないカボチャが実をつけている。芳香南瓜も種から植えたのでその分、成長が遅れて実をつけており、大きさで少し劣る。両者を収穫して早速、いただいたが、「えびす」は定番の美味しさで満足している。芳香南瓜はまだ実が十分熟していなかったためか、味がやや薄くて物足りない。メロンもおおきいものをひとつ収穫した。
 無肥料畝には枯れ枝、竹や笹などの高繊維質の植物の朽ちたものを供給する。次の時期に備えて、早めに収集しておきたいと思う。3m幅の高畝にしているが、畝の中央のみ高くなっており、スイカ、カボチャ、メロンの大きな実は座りが悪く、斜面に実がぶら下がってつるに負担がかかっている。中央の平坦部をもう少し広げて、座りを改善したい。無肥料畝は慣行栽培ほどの収穫量は期待できないだろうが、自然の強さをもった、バランスの取れた野菜の収穫を期待したい。

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