グリム農園&田舎暮らし

定年退職後の日々の日記です。

不耕起栽培の試み:レタス

2024年11月2日 から Mat Grimm | 0件のコメント

ゲイブ・ブラウンの環境再生型農業を知ってから、不耕起栽培に関していろいろ勉強している。不耕起栽培では耕さないことで土をそこに住む生物の生態系により、豊かで植物が生い茂る土に変えていくという。鶏・豚・牛などの動物を入れることも土作りを促進するという。同じようなものに自然耕法という農法があるが、肥料や農薬を使わず、耕すこともせず、種を蒔いて、収穫まで放置する。不耕起ではあるが、多様な種類の植物の種を蒔き、その環境に適した植物を育成することで、土地を変えていき、土地が変わるとさらに生育する植物が変わる方法である。自然農法では家族農業的な規模であり、人手で収穫する規模である。協生栽培と呼んでいる方法も不耕起ではあるが、樹木を含めて多様な植物の種を蒔いて砂漠のような土地を野菜もとれる緑の森に変えていくという。太陽光パネルや収穫ロボットも導入して、人類の歴史以来、続いてきた土地の劣化(炭素の減少)を止め、地球規模でエネルギーと食料を持続的なものにすることを大きな目標としている。農業が実はとても重要な局面になっていることを感じている。まだ、世間一般では慣行農法が主流で不耕起栽培といっても家庭菜園規模である。得られる野菜は無農薬であっても形状や外観、柔らかさなどは慣行栽培に劣るので、市場では広がらない。一部には良さを知ったユーザーがリピーターとして購入するようになり、採算が取れているらしいがまだまだ限定的である。
私は菌ちゃん農法として知られている畝つくりを2年前に始めている。畝に枯草やもみ殻、堆肥、剪定枝などを積み重ねて黒マルチを掛け、放置した後、そこにカボチャ、メロン、スイカ、トマト、ズッキーニ、ブロッコリーなどを植えてそれなりに収穫している。しかし、慣行栽培と比べて、遜色ないものもあるが、スイカなどは成長が穏やかであり、大きさや数では物足りない。一方、黒マルチをすると雑草は抑えられるが追加で枯草や剪定枝などの炭素資材を投入するときに除去したりが面倒である。そこで黒マルチを除去して、これまで行ってこなかった多様な野菜の密植も検討してみたい。
そこで今年は不耕起で2,3年経過した無肥料畝に様々な野菜の種や苗を植えてみる。10/16にカブの種を蒔いて発芽している。9/28に連結ポットに種まきした玉レタスを10/30に定植した。2条植えである。いろいろ、試してみたいと思う。

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2024年10月24日
から Mat Grimm
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令和6年うるち米の収穫

今年(令和6年)のうるち米のイネ刈を10月14日に行った。昨年は10月11日であったが、今年は暑い夏が続き、登熟の積算温度に早く達するのか、この地域では9月末頃が稲刈りのピークのようであった。しかし、私の属する自治会が地域の神社の例祭(10月5日、6日)の陶屋を務める関係で忙しく、祭り後に稲刈りをすることになった。そして、祭り後早々に雨にも会い、田の乾燥を待って漸く14日にコンバインを入れることができた。昨年の落水は9月26日であったが、今年は乾燥が続いていたこともあり、稲刈りが遅れるので落水したのは10月2日であった。したがって、モミの登熟は十分である。穂の全体のモミの1割程度が青米(未熟)くらいがちょうど適期らしい。十分な登熟期間の為か、それとも穂肥をほどこした為なのか、因果関係ははっきりしないが、刈取りのモミ袋数で昨年は45袋、今年は50袋を使用している。乾燥・籾摺りを外注して、受け取った玄米の30㎏袋数は昨年28袋、今年29袋であり、1つ増加している。そして、出来た新米の内、17袋を自家消費として残し、12袋を売却したが、驚くことにその単価が昨年の1.69倍に上昇していた。乾燥・籾摺りの費用は袋当りでは昨年と同等であった。余った古米も売却したが、古米でも昨年の価格よりは高くなっており、全国的に米不足の影響がでていることを実感した。
私はこれまで中干という株数が20本程度になると田の水を抜いて根を鍛えるということをやっていない。そのためか、田は常に湛水しており、今年の異常な暑さのためか、昨年まで見なかった藻が水面を覆いつくすように繁茂した。養分を横取りし、田面の乾燥を遮り、水温を下げたであろう。稲にとって恐らく悪影響となったであろう。しかし、結果的には収穫量は減らなかったばかりか、若干増えたので、心配したほどの影響ではなかったのかもしれない。
もうひとつ、今年に新たな発見として、ヒエなどの雑草は田植え後の深水で抑えることができるということである。今年は田植え後のコロガシをほとんど行っていないが、雑草の発生がほとんど見られなかった。その代わり、田の土が露出することのないように深水管理を行った。菜の花の緑肥が雑草を抑制していると思っていたが、必ずしもそうではないかもしれないと疑問をもってきた。
また、稲の肥料は元肥として窒素成分で4kg/反の鶏糞を与えるだけであったが、今年、初めて穂肥を出穂の45日前に窒素成分で粒状鶏糞(2kg/反)を与えた。収量増加はそのためかもしれない。
稲作りの課題としては田植えの際の苗作りである。ジャンボタニシの食害に耐えるようにできるだけ大苗を植えたいのであるが、手持ちの田植え機では苗長12cm程度までに抑える必要がある。そこで20日苗の所を25日苗(20cm程度)まで大きくして、先端を切り飛ばして短くして田植え機に装着する。大苗にするため、通常、苗箱当り150g~200gを蒔いて、水を潅水するだけだが、私は70g~90gと薄播きにして、後半にはプールに浸ける。結果として、根はしっかりと張るのだが、今年は水切り時間が短くて苗箱から取り出した苗土のシートが柔らかくて、田植え機に装填後、順次、掻きとり部への移動がうまく行われず、欠株がでたり、株数がばらついてしまった。対策としてはプール育苗後に少なくとも1日は水から出して乾燥させ、十分に根が絡んだシートを硬くしてから、田植え機に装填すべきであろう。
稲作りは1年に一度しか作れないが、毎回、課題が次々と現れ、それをどうやって解決あるいは回避するのか頭を絞る。そこが実は楽しいのである。

鰹宇神社例大祭と陶屋制度

2024年9月22日 から Mat Grimm | 0件のコメント

 

今日も朝から集会場に集まり、天候を伺いながら地元神社の例大祭の準備を進めていく。現在、16の集落が陶屋株を持ち、順番に年一度の例大祭の運営を受け持つ。私の集落が当番となったのは18年前の平成18年以来で私は5年前にUターンしてきたので、初めての経験である。5月頃に神社の宮司と陶屋側が打ち合わせを持ち、陶屋が準備する物や行事内容の説明を受けた。神社としては毎年のことなので慣れているが、陶屋側は十数年ぶりなので、経験者はいてもほとんどは忘れているか、初めてである。例大祭は「口明け」、「宵祭り」、「本祭り」の3つで構成され、簡単に言えば、「口明け」で神様を陶屋の陶席宅に迎え、拝礼して、1週間滞在の後、「宵祭り」として、神様に神社本殿に戻っていただく。そして「本祭り」で神様を神輿に載せ、慰め、本殿から御旅所まで練り歩いて皆で神様を本殿から外の世界を見ていただき、御旅所で一旦、休憩してもらい、氏子の祈願を受ける。そして、再び、本殿に戻って、祭りは終了するという行事である。
今日は「口明け」の1週間前の休日で全員で神社の注連縄の交換を行う予定であったが、生憎の天候で紙垂という半紙の飾りが雨で傷むので大半の屋外設置の注連縄の交換を予備日の明日に延期し、まず、神社の様々な場所に飾る榊や串に用いられる竹細工を行った。竹は知り合いの竹林から先日、切り出した竹を使用する。1時間ほどで40本前後の竹を節の研磨、切断、穴あけを行った。集まった11人で集落の集会場で行った。その後神社に行き、雨の影響の少ない本殿前と本殿内の注連縄を交換した。注連縄と言っても大きなものは長さが3,4mほどあり、重量も2人では持て余すほど大きく重い。支柱として太い竹に結びつけてあり、注連縄の交換は注連縄を支える人、縄で梁に結びつける人と少し離れた箇所から注連縄の水平度を見て指示する人の共同作業となる。しめ縄は梁に固定されるので、高所作業となる。少なくとも2人、できれば3人が同じ高さで高所作業ができる足場が必要で複数の脚立か、2つの脚立に板を渡して、その板に乗り、作業をする。働き盛りの若手経験者が中に居て、高所で重量物の作業を担ってくれ、要領よく進んだ。
神社の例大祭の陶屋制度の維持が氏子の減少、言い換えると農家の減少・高齢化で難しくなっているが、今回の経験を通して実は人のつながりを強化するシステムであることに得心した。獅子舞も同じシステムの一部である。私自身もUターン組であるが、集落に長年ずっと住み続けている人の他に、その縁戚関係者や祭りの好きな人が集まり、共同作業を通じて交流できるという利点のあることを実感している。十数年間の間に住民の娘や息子が集落の外へ出ていくことが多いが、その娘や息子が獅子舞や神社の祭りを子供時代に経験してその楽しさを記憶しており、彼らの子供達を連れて参加してくれるのである。私も普段、付き合うことのないさまざまの職種、年齢、性別を超えた人と交流できることに驚いている。例大祭の陶屋制度は集落を基点とする様々な人の共同作業で挙行できるものであり、逆に普段はばらばらに散らばって生活している人を結びつける制度ではないかと思う。

 

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スイカの収穫

2024年8月14日 から Mat Grimm | 0件のコメント

スイカの収穫を7月29日に今年初めて行った。目安はスイカの蔕が繋がっている茎の同じ節から出ている巻きひげが枯れているかどうかである。巻きひげが青いものは未熟である。巻きひげが枯れていても必要十分ではない。未熟なものもある。後は大きさや花の時期から40日程度を経ているかどうかである。試しに6~7kgの2個を収穫した。冷蔵庫で冷やして、切ってみたが、ほぼ完熟であった。糖度計を持っていないのでどの程度かわからないが甘い方だと思う。5月18日に通常の赤色大玉スイカ(黒玉5株、羅王1株)を株間1.5mで定植し、放任栽培で人工授粉もせずにいて着果したものから、大きく成長したものを2個収穫した。別の圃場にも黄色スイカを11株を株間1.5mで定植し、自然に授粉して着果したものから大きく成長したものを7月31日に1個収穫した。冷蔵庫で冷やし、8月1日に試食した。これは完熟には今一歩であったが、中心部分はかなり甘く、そして赤系とは違った爽やかな味がする。そして、この玉は重量が初めて10㎏を超え、10.8kgと手ごたえのある重さである。放任なので、着果した玉は間引いていない。玉の大きさは2番手以降は10kg超はほとんど見当たらない。7月4日には長雨の後の高温でのカビの病気を心配していたが、現在、株の中心部分の茎がほとんど茶色に変色して、枯れようとしており、恐らく炭疽病ではないかと思う。実をつけている茎の箇所までは茶色に広がっていないが1週間前に比べると確かに病気が広がっていると考えざるを得ない。樹勢が衰えている株に着果したものの現在、まだ小さな玉はこれ以上には大きくならないと考えられる。好むと好まざるに関わらず、収穫せざるを得ないだろう。(8月7日)

今日はお盆の14日である。私の住む高松市は連続真夏日20日を記録し、21日に更新するのも確実である。当初、お盆の頃の収穫最盛期を期待していたが確かに例年の天候であればそうなると思われるが、日照りで樹が枯れており、成長が止まっているものも見受けられる。玉の表面が一部茶色に変色しているものがある。黒玉スイカ2個、金色羅王2個を食べて、味は悪くないが、黒玉スイカは過熟とは違う、劣化を感じる。恐らく、熱のせいであろう。金色羅王はどちらかというとさっぱりした食感であり、それは余り感じない。玉の表面の色にそれが反映されている。スイカの場合には本当に中身を予想するのは難しい。切ってみないと何とも言えない。売ったり、プレゼントしたりするときにいつも自信がない。だから、後でどうだったか聞きたくなる。お店で売っているものを見ると大きさも色も欠点がなく、味に不安を感じさせる外観ではない。

病気か、枯か

恐らく、カビか

黒玉スイカ

金色羅王、刃を入れると割れてしまう。味は最高!

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3年目の挑戦:トルコギキョウの花つくり

2024年8月4日 から Mat Grimm | 0件のコメント

今年初めて発芽に成功したトルコギキョウであるが、苗となってもどのような花が咲くか、小さくて貧弱な茎や花であれば鑑賞用としては失格である。鉢上げしてもポットでの生育がどうかうまく咲くかどうか分らない。不安ではあるもののポットで花の苗として売る自信はなかったので、ある程度生育したら、すべて花壇に定植した。そして、やっとその神秘の花が姿を現した。種袋にある通りの大きくて色も淡色で八重咲で優美な花であった。そしてキキョウのように複数の枝から次々と花を咲かすのである。しかし、困ったことに花が大きくて立派であるので茎はしっかりしているが、根元で茎を支えきれずに倒れてしまうのである。花壇に植えたため、土が柔らかいためかと推定したが、どこに植えても倒れやすいので根がそういう性質かもしれない。白、ピンク、薄い紫、緑に近い白、黄色など淡い色でとても上品な花である。来年は倒れやすい点を考慮して苗を作りたいと思う。今回の花つくりの工程を書くと、昨年の10月26日にジフィーセブンという親指くらいの大きさの吸水性の専用苗床に1,2粒の種を置いて、日当たりの良い窓際に置いて水を切らさないようにすると記録はないが、12月か1月頃だと思うが発芽して、少しずつ成長する。2月12日と24日にポットに鉢上げした。ある程度、成長したポットの写真は4月5日である。これを花壇に定植したのは4月末頃で6月23日には開花している。そして、7月末でもまだ花を咲かせている。花を咲かせるまでに約9か月の栽培期間である。通常のキキョウのように多年草となって、来年も株が残って花を咲かせてくれるとありがたいが、どうだろうか。楽しみである。

 

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2024年7月4日
から Mat Grimm
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2024年のスイカ作り

今年のスイカ・メロン作りはこの長雨を無事に乗り越えられるか今が瀬戸際のような気がする。6月の中旬から梅雨とは言え、乾く間もなく7月の今まで雨で圃場は水浸しである。スイカ畝はそれほど高畝にしていないので根がダメになる可能性がある。スイカの品種は3品種で皮が硬く、味も普通に甘い黒玉スイカ、中玉の「爆弾娘」、そして爽やかな甘さの黄色スイカ「金色羅王」である。黒玉スイカは発芽も容易で比較的作り易い。金色羅王は昨年の実から取った種を発芽させた自根の苗である。黄色スイカでとにかくおいしいので、作付けを増やした。種まきは3月7日に二重トンネルに蒔いた。発芽率は低かったが、金色羅王12株、羅王1株、黒玉2株、爆弾娘3株が生育した。そして、5月17日に定植した。畝つくりは1.8m幅の黒マルチに合わせて、広く作り、耕耘後に株間1.5mで苗の位置を決め、苗の周りに株当り5㎏の発酵鶏糞を苗を取り囲むように土の上に置く。そして、黒マルチで被覆する。昨年はこの方法でたくさんのスイカが獲れたので、今年もこの方法を適用してみる。定植後に芯止めや人口交配、整枝などをすべきだが、特に何もせず、放任した。さすがに長雨でうどんこ病の兆候が見えたので、納豆菌を培養液を10倍に薄めて、スプレーした。本来は予防的に苗が小さい内に葉面散布すべきであったが、対処療法として適用し、その効果を確認する。圃場は2か所で金色羅王は11株をひとつの畝に、もう一か所には爆弾娘3株、羅王1株、黒玉2株の6株を一畝に植えてある。7月3日にすでに着果したものがいくつかが確認できており、その下に麦わらを敷いて環境を整えた。金色羅王は皮がそれほど硬くないので、カラスの食害に会う可能性があるので、黒いテグスの防鳥糸で畝を囲った。今日の時点でゴルフボールより大きいスイカが金色羅王で11ケ、黒玉系で6ケを確認している。スイカの樹勢が衰えなければ、40日~45日で収穫とすると8月中旬に獲れることになる。お盆の頃が楽しみである。

5年目のイネ作り:田植えまで

2024年6月23日 から Mat Grimm | 0件のコメント

手植えのイネ作りから始めて、今ではすっかり、機械式田植えに馴染んでしまい、もう手植えにはもどれない。15アール程のイネ作りであるが、手植えでは二人で二三日かかるが田植え機では2,3時間で終わる。昨年、所有の田植え機では大苗をうまく植えることができなかったので、今年は小ぶりな苗を育てて、田植え機で綺麗に植えることを目標とした。昨年は25日苗であったが、今年は21日苗で田植えを行った。苗の動きに問題はなかったが、しかし、別の問題が出た。苗を箱から剥がして取り出すと根が互いに絡んで1枚の絨毯のようになり、これを田植え機に装填するのだが、このシートが柔らかく斜めに装着するとシートに皺ができるように曲がりができ、苗の送りがスムーズにいかず、結果的にうまく掻きとれないで、欠株ができてしまう。そこで一旦、田植えを停止し、シートの曲がりを修正してから続行するということの繰り返しとなった。育苗で昨年と今年の差はそれほどないと思うが、今年はプール育苗で箱から根が貫通してプールの底土まで達していて、苗箱をプールから取り出すのに大変、力が必要で、場合によっては土といっしょに剥がれて重かったという。その理由として、苗箱の土入れの際に箱の底に専用のプラ用紙を敷かないで、新聞紙を使ったため、根が新聞紙を貫通して、箱の通水孔を通ってしまい、根が横に伸びないで、縦に伸びたためかもしれない。もう一つの理由として今年はプール育苗の際に常時水を入れ、早くから苗が水に浸かっていたため、新聞紙が溶けて、根の伸びを助長したかもしれない。プール育苗の時も土のうえにビニールシートでカバーしておけば、防止できるかもしれない。毎年、同じようにはできない。田植え後の漏水対策についても、新たな漏水モードを発見した。モグラの穴を伝って漏水があると場所の特定が難しい。水門からの漏水対策としては水門を取り囲む土手を作り、その土手で漏水を防いだ。現在の課題はジャンボタニシ対策である。大苗での田植えでは茎が硬くなっていて食害は気にしなかったのだが、20日苗では小さく、株も細いので、一たまりもないだろう。農薬は使いたくないので、タニシのトラップを考えている。ネットで調べると市販品もあるが、高価だし、手作りでは効果が保証されていない。もっとも簡単なペットボトルタイプを使おうと考えている。
イネつくりは実は稲刈り後から、すぐ翌年のイネ作りが始まるのである。緑肥として、菜の花を選択した場合には、種まきは稲刈り後くらいに撒くそうである。私は菜の花の一種である黄からしを2月に撒いて、発芽までは確認できたが、その後にいつになっても成長する気配を感じないまま4月になり、圃場のほんの一部に短い菜の花が咲いて、それ以外のほとんどは雑草のままであることから、緑肥の失敗に気づいた。そこで元肥は鶏糞をトラクタ耕耘の前に散布した。量は窒素成分で反当り3㎏程度である。5月に入り、いよいよ種まきで当初は育苗23日を計画をしていたが、ゆる抜きが2日ほど早かったのとイベントで種まきが昨年よりも1日遅れた。塩水選、温湯消毒、浸種、土入れ、種まき、シルバーポリトンネルでの育苗と昨年とほぼ同じように行った。発芽後にシルバーポリを除去してみると、苗の成長にばらつきが大きかった。どうも水やりが均一でなかったようだ。そこでプール育苗に切り替えて水をたっぷりと入れ、成長を促した。
今後は雑草を監視する。田植えと同時に深水にしており、苗が埋没する場所もある。圃場の均平度は代掻きを何往復もしてトラクタの代掻きだけでは改善できないレベルまで行ったが、いざ水を入れてみると高低差は6-8㎝はありそうである。雑草対策は深水、菜の花緑肥、コロガシであるが、深水が一番重要であると考えている。
昨年は30㎏入り米袋でニコマル28袋取れた。ほぼ反当り10俵であり、十分である。今年はこれまで行ったことのない追肥をやってみようかと思う。出穂の45日前というから、例年では8月末から9月初めが出穂なので、7月15日~20日前後に施肥すれば、穂肥になるという。慣行農法でもまだまだ試したいことがたくさんあり、稲つくりは奥が深い。さらに最近は不耕起栽培にも興味が湧いて、できれば検討してみたいと思う。

 

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2024年6月8日
から Mat Grimm
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「土を育てる」を読んで

米国での環境再生型農業に関する本「土を育てる」(ケイブ・ブラウン著2018年10月米国刊行、日本語版2022年5月)を読み、いろいろ考えさせられた。日本の農業が海外の安い農産物に駆逐され、大半の作物が衰退してきたことを承知しているが、今、米国ではその高い生産性にも拘わらず、この慣行農業が行き詰っていることを知り、大変驚いた。大規模面積の単一品種栽培を、化学肥料、農薬、大型農業機械を用いて行う工業型農業は勝者であると思っていたが、肥料・農薬・機械等のコストが上がり、徐々に収益性が低くな り、次世代に承継がうまくされていないという。そして、長年続けていると土地が痩せて気候変動の影響を受けやすく必ずしも維持可能ではなくなっているという。「土を育てる」のタイトルのように土をうまく育てることで無肥料、無農薬で牧草、野菜や穀物等を栽培し、収穫できるという。具体的にどうやって、栄養豊富な土を育てるのかというと(1)耕さない (2)土を覆う (3)多様な植物(4)生きた根を持つ(5)動物を組み込むことで育てるという。詳しくは本に譲るが、これまで土の役割についてそれほど考えたことはなかった。ふかふかの有機物たっぷりの土が植物にとってよいとは思っていたが、土の中の真菌、バクテリアが重要とのことである。植物は空気中の二酸化炭素から光合成により、単糖類を作り、これを根から沁みだすことで微生物を引き寄せ、必要な窒素やミネラルを得るという。微生物はその糖類を受け取り、その代わりとして窒素やミネラルを提供するという。だから、耕すとこの関係を断ち切ることになる。また、化学肥料は植物と微生物との共生関係を不要とするため、肥料切れのときに微生物からの提供がなく、元気がなくなるという。しかし、耕さないといつの間にか雑草が生い茂り、野菜や穀物は雑草に光や養分を奪われて健康に生育できないと思うが、多様なカバークロップと呼ばれるさまざまな植物をタイミングよく生育させることで土の中に炭素や窒素を循環させ、雑草を抑えることができるという。しかし、完全に除草剤を使っていないわけではない。必要に応じてまだ使っているという。動物の導入は動物のし尿の利用と動物の商品化、牧草の飼料化など相互利益的となる。菌ちゃん先生(吉田俊道氏)の糸状菌による無肥料栽培や最近、よく耳にする不耕起栽培などは部分的には同じ方法かもしれないと思う。しかし、ゲイブ・ブラウンは2400haという途方もない広い農地を持ち、息子を含めて3-4人の家族で切り盛りし、インターン学生を受け入れているものの少数での経営という。彼の考えた方はとても合理的でその判断基準をそれが維持可能なものに寄与するかどうかに置いている。日本の場合、湿潤で雑草の繁殖力が物凄いと思うが、果たしてこのような環境で、不耕起で収穫できるのかと考えてしまう。土壌の微生物については不勉強でほとんどしらないが、この部分は学問としてもまだ新しく、まだまだ、微生物利用は主流ではない。特に大規模な営業用野菜・穀類栽培では不耕起栽培は耳にしていない。実は耕作放棄地の増加が地域で課題となっているが、この問題に対して、不耕起で種を蒔くだけで雑草を抑えて作物が獲れるのであれば、大変夢のある話である。雑草の抑制をどのようにするか、大変興味のある課題である。引き続き、追及したいと考えている。

 

 

夏野菜の発芽状況(二重トンネル)

2024年4月13日 から Mat Grimm | 0件のコメント

今日、4月13日の最高気温は24℃、朝方の最低気温は12℃であった。昨日から天候は晴れて5月並みに暖かくなってきた。そこで、3月7日に露地の二重トンネル内に夏野菜の種まきをしてあったが、二重トンネルを一時的に除去して、いよいよ発芽状況を調査することにした。二重トンネルの外から覗いて見ても、雑草が茂っており、ズッキーニやカボチャなどのウリ類を除いて、発芽しているのかどうか、よくわからない。もし、必要数に届かないようであれば、ポットに種まきして追加育苗するつもりである。結果的に表のような結果であった。発芽率が低い理由として考えられることは昨年よりも桜開花が2週間も遅かったように①気温が低かった②雑草が生えて地温が上がらなかった等が考えられる。特に苗床を作る際に直前に耕耘をしなかったために雑草の発芽が早く、地温が上がらなかったと考えられる。また、極端に発芽率が低い種は古種や自家採取の種に多い傾向がみられる。保存方法が適切でなかったことが考えられる。苗が不足するししとう、ゴーヤ、ナス等は追加でポット種まきをするつもりである。気温がさらに上がってくれば、二重トンネル内を除草したので、遅れて発芽してくるものもあるかもしれない。

2024年4月12日
から Mat Grimm
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センダンの伐採その2

県道に枝を伸ばしたセンダンの大木の伐採を某森林組合に依頼してあったが、いよいよ伐採となり、立ち会った。どうやって伐採するのか興味があったが、やはりバケット車の威力をまざまざと見せつけられた。センダンの木は道路から2m程度は隔たっていたが、道路から遠い方に伸びた枝も道路にバケット車を固定したまま、するするとほぼ真横に近い角度で人が乗るバケットが移動し、チェンソーで枝を切り落としていく。もちろん、道路側に伸びた枝はやや長めではあった(1.5mくらい)が、切り落とした直後に待ち構えた人がすばやく、片側通行で車が通る前にその落ちた枝を通行路線から素早く引き出している。片側通行の交通整理を三人が担当し、伐採はバケット車に一人乗り込んで、チェンソーで切り落とす人と下でそれを運ぶ人、積み上げる人の三人の伐採グループがいる。朝8時頃に現地に集合し、切り取った枝をどこに積み上げておくかを打合せして、まず県道沿いではなく、駐車場側にバケット車を固定して東側から伐採を開始した。その方が交通量が多い時間帯の道路使用を避けることができる。その後、9時頃には県道を片側通行にして、道路にバケット車を固定して、枝を外側から刈りこんでいく。1m程度の長さで切って枝を切り詰めていく。約1時間くらいでメインのセンダンの木の片側をほぼ短く刈りこんだ。そして、10時頃に小休止を取った頃、私は現場を離れて別の所にいたが、ランチ後に13:30頃に戻るとセンダンの木は短く根元で切られていた。そして、14:30には片付けを始め、周りを簡単に清掃して撤収している。太い幹は取扱いに困るだろうと持って帰ってくれた。見積もりでは伐採した木はそのまま畑に残すという条件であった。やはり、プロの伐採は無駄な動きがなく、効率的に伐採を進めていく。見事であった。

 

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