今年(令和6年)のうるち米のイネ刈を10月14日に行った。昨年は10月11日であったが、今年は暑い夏が続き、登熟の積算温度に早く達するのか、この地域では9月末頃が稲刈りのピークのようであった。しかし、私の属する自治会が地域の神社の例祭(10月5日、6日)の陶屋を務める関係で忙しく、祭り後に稲刈りをすることになった。そして、祭り後早々に雨にも会い、田の乾燥を待って漸く14日にコンバインを入れることができた。昨年の落水は9月26日であったが、今年は乾燥が続いていたこともあり、稲刈りが遅れるので落水したのは10月2日であった。したがって、モミの登熟は十分である。穂の全体のモミの1割程度が青米(未熟)くらいがちょうど適期らしい。十分な登熟期間の為か、それとも穂肥をほどこした為なのか、因果関係ははっきりしないが、刈取りのモミ袋数で昨年は45袋、今年は50袋を使用している。乾燥・籾摺りを外注して、受け取った玄米の30㎏袋数は昨年28袋、今年29袋であり、1つ増加している。そして、出来た新米の内、17袋を自家消費として残し、12袋を売却したが、驚くことにその単価が昨年の1.69倍に上昇していた。乾燥・籾摺りの費用は袋当りでは昨年と同等であった。余った古米も売却したが、古米でも昨年の価格よりは高くなっており、全国的に米不足の影響がでていることを実感した。
私はこれまで中干という株数が20本程度になると田の水を抜いて根を鍛えるということをやっていない。そのためか、田は常に湛水しており、今年の異常な暑さのためか、昨年まで見なかった藻が水面を覆いつくすように繁茂した。養分を横取りし、田面の乾燥を遮り、水温を下げたであろう。稲にとって恐らく悪影響となったであろう。しかし、結果的には収穫量は減らなかったばかりか、若干増えたので、心配したほどの影響ではなかったのかもしれない。
もうひとつ、今年に新たな発見として、ヒエなどの雑草は田植え後の深水で抑えることができるということである。今年は田植え後のコロガシをほとんど行っていないが、雑草の発生がほとんど見られなかった。その代わり、田の土が露出することのないように深水管理を行った。菜の花の緑肥が雑草を抑制していると思っていたが、必ずしもそうではないかもしれないと疑問をもってきた。
また、稲の肥料は元肥として窒素成分で4kg/反の鶏糞を与えるだけであったが、今年、初めて穂肥を出穂の45日前に窒素成分で粒状鶏糞(2kg/反)を与えた。収量増加はそのためかもしれない。
稲作りの課題としては田植えの際の苗作りである。ジャンボタニシの食害に耐えるようにできるだけ大苗を植えたいのであるが、手持ちの田植え機では苗長12cm程度までに抑える必要がある。そこで20日苗の所を25日苗(20cm程度)まで大きくして、先端を切り飛ばして短くして田植え機に装着する。大苗にするため、通常、苗箱当り150g~200gを蒔いて、水を潅水するだけだが、私は70g~90gと薄播きにして、後半にはプールに浸ける。結果として、根はしっかりと張るのだが、今年は水切り時間が短くて苗箱から取り出した苗土のシートが柔らかくて、田植え機に装填後、順次、掻きとり部への移動がうまく行われず、欠株がでたり、株数がばらついてしまった。対策としてはプール育苗後に少なくとも1日は水から出して乾燥させ、十分に根が絡んだシートを硬くしてから、田植え機に装填すべきであろう。
稲作りは1年に一度しか作れないが、毎回、課題が次々と現れ、それをどうやって解決あるいは回避するのか頭を絞る。そこが実は楽しいのである。
不耕起栽培の試み:レタス
2024年11月2日 から Mat Grimm | 0件のコメント
ゲイブ・ブラウンの環境再生型農業を知ってから、不耕起栽培に関していろいろ勉強している。不耕起栽培では耕さないことで土をそこに住む生物の生態系により、豊かで植物が生い茂る土に変えていくという。鶏・豚・牛などの動物を入れることも土作りを促進するという。同じようなものに自然耕法という農法があるが、肥料や農薬を使わず、耕すこともせず、種を蒔いて、収穫まで放置する。不耕起ではあるが、多様な種類の植物の種を蒔き、その環境に適した植物を育成することで、土地を変えていき、土地が変わるとさらに生育する植物が変わる方法である。自然農法では家族農業的な規模であり、人手で収穫する規模である。協生栽培と呼んでいる方法も不耕起ではあるが、樹木を含めて多様な植物の種を蒔いて砂漠のような土地を野菜もとれる緑の森に変えていくという。太陽光パネルや収穫ロボットも導入して、人類の歴史以来、続いてきた土地の劣化(炭素の減少)を止め、地球規模でエネルギーと食料を持続的なものにすることを大きな目標としている。農業が実はとても重要な局面になっていることを感じている。まだ、世間一般では慣行農法が主流で不耕起栽培といっても家庭菜園規模である。得られる野菜は無農薬であっても形状や外観、柔らかさなどは慣行栽培に劣るので、市場では広がらない。一部には良さを知ったユーザーがリピーターとして購入するようになり、採算が取れているらしいがまだまだ限定的である。
私は菌ちゃん農法として知られている畝つくりを2年前に始めている。畝に枯草やもみ殻、堆肥、剪定枝などを積み重ねて黒マルチを掛け、放置した後、そこにカボチャ、メロン、スイカ、トマト、ズッキーニ、ブロッコリーなどを植えてそれなりに収穫している。しかし、慣行栽培と比べて、遜色ないものもあるが、スイカなどは成長が穏やかであり、大きさや数では物足りない。一方、黒マルチをすると雑草は抑えられるが追加で枯草や剪定枝などの炭素資材を投入するときに除去したりが面倒である。そこで黒マルチを除去して、これまで行ってこなかった多様な野菜の密植も検討してみたい。
そこで今年は不耕起で2,3年経過した無肥料畝に様々な野菜の種や苗を植えてみる。10/16にカブの種を蒔いて発芽している。9/28に連結ポットに種まきした玉レタスを10/30に定植した。2条植えである。いろいろ、試してみたいと思う。
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